環境整い一気呵成 仙台市長選・郡氏が再選出馬表明

郡和子仙台市長

 仙台市長選は3日、現職の郡和子氏(64)がようやく再選立候補を表明した。1カ月半後に告示が迫った時期の表明は、現職としては1989年の政令市移行後で最も遅い。再選出馬は早くから既定路線だったが、新型コロナウイルス感染が収束せず有権者が「選挙モード」になく、郡氏は市民感情を逆なでしないタイミングを見計らっていた。

 市内の新規感染者は3月中旬から急増。4月5日にはまん延防止等重点措置が適用され、まずは感染抑制が急務となった。対応を誤れば批判が高まることは必至で、出馬の意向をにおわせることもはばかられた。

 元東北放送アナウンサーで知名度は高く、しかも現職。早々に態度を明らかにしないことで、新人の動きを封じ込める狙いも透けて見えた。郡氏の周辺からは「告示ぎりぎりの表明でいい」との声まで上がった。

 潮目が変わったのは4月下旬。自民党市議の菊地崇良氏(52)が立候補の意思を固め、選挙戦の可能性が急浮上した。「動かざるを得なくなった」と周辺は慌てたが、郡氏は自民党の出方を待った。2017年の前回選で自民は対立候補を推したものの、4年間で緊張関係は緩みつつあった。

 「市民党」を掲げて幅広く支持を集め、2期目を盤石にする戦略を描いていた郡氏。自民市連が「菊地氏支援で一致は困難」とし、県連が5月29日に推薦を見送ると、立候補表明に向けた環境が急速に整った。

 65歳以上の高齢者へのワクチン接種が気掛かりだったが、5月24日に大規模集団接種、31日に個別接種が始まり、集団接種の予約受け付けも開始した。一定のめどが立ち、ここぞとばかりに、今週に入って一気呵成(かせい)に動いた。

 郡氏は3日の記者会見で「意思を固めたのは昨日と言っていい」と明かした。公約は発表を先送りし、支援態勢や事務所はこれから決める。急ごしらえの立候補表明が、間隙(かんげき)を縫ったことを物語った。
(報道部・高木大毅)

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