仙台のマンション被害判定変更 敗訴の住民「支援金の返還、納得できない」

判決後に記者会見する草場弁護士(左)ら

 仙台市太白区のマンションの被害判定を巡る訴訟で4日、最高裁は生活再建支援金の返還を命じる住民側敗訴の判決を下した。東日本大震災後の被害判定で翻弄(ほんろう)された上、10年を経て返還を求められる羽目になった住民は「間違ったことをしていないのに返せなんて納得できない」と憤った。

 マンション住民の山下一訓さん(66)は敗訴の知らせを受けて「被災者が安心して復旧へ踏み出せる仕組みを守るために闘い続けてきた。残念な結果に終わってしまった」と肩を落とした。

 自宅は震災の地震で壁に亀裂が入り、サッシがゆがんで窓が閉まらなくなった。それでも2011年8月に仙台市が「大規模半壊」とした被害判定は、12年2月に「一部損壊」に格下げになり、支援金は一転ゼロに。13年4月には、11年中に受け取っていた支援金150万円の全額返還をセンターから求められた。

 壊れた壁などは、既に支援金の大半を使って修理していた。「返還を求められるくらいなら業者への依頼は諦めたのに」と唇をかんだ。

 判決後、都内の司法記者クラブで記者会見した住民側代理人の草場裕之弁護士(仙台弁護士会)は「被災地の実態を理解していない冷たい判決。今回のケースのような運用が認められてしまうと、今後の大規模災害の被災地に不安が生じる」と強調した。

 仙台市の郡和子市長は「今後も(被害判定を示す)罹災(りさい)証明書が及ぼす影響に鑑み、適切な判定をしていきたい」との談話を出した。

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