青葉区で時短やめる店相次ぐ 「もう限界」通常営業に

「串焼楽酒MOJA」は青葉区を含む全店で1日から通常営業に戻した=2日午後9時5分ごろ、仙台市青葉区中央1丁目

 新型コロナウイルスの感染防止策で、仙台市内の酒類提供飲食店への時短営業要請が青葉区に限り13日まで2週間延長された。「もう限界」「なぜ青葉区だけ」。思うような営業ができない状況が長引く中、要請に応じず、通常の営業時間に戻す飲食店が増えている。

 2日午後9時すぎ、青葉区の居酒屋「串焼楽酒MOJA名掛丁店」では2組の客が焼き鳥などを頬張っていた。「仕事帰りに食事できる店を探していた。店内がぎゅうぎゅうなら帰ったが、席の間隔も十分ある」。会社員男性(44)は話す。

 MOJAは1日、青葉区を含む宮城県内全9店で午前0時か午前1時までの通常営業を再開した。運営会社「元気と情熱」の右田若葉専務は「5月まではお上の号令をきっちり守ってきたが、もう限界」と訴える。

 少しでも売り上げを確保しようと始めたランチや宅配も初期投資がかかり、借入金はコロナ前の数倍に膨らんだ。「飲食業と、関わる全ての業者が瀕死(ひんし)の状態。やらなければつぶれる」

 1日から午前2時まで営業する国分町のダイニングバー「キザブロ」のオーナー松本裕介さん(45)は「売り上げの回復は見通せないが、協力金頼みで店を続けることに疑問を感じた」と言う。

 スタッフ3人は週1回、抗原検査を行い、入店者数は席数の半分以下に制限。感染者が出た場合の対応マニュアルも用意した。「危機管理を徹底し、感染が起きた場合の責任は経営者自身が負う。自分たちの足で立って店を守っていきたい」と口調を強める。

1日から午前2時までの通常営業を再開した「キザブロ」=3日午後9時ごろ、仙台市青葉区国分町2丁目

 「青葉区と他区でなぜ対応が違うのか分からなかった」。一番町と本町で和食店「氏ノ木」を営む小林弘幸さん(40)は語る。路面店で換気はいい。従業員のモチベーションの低下や食材の仕入れ先の苦境も踏まえ、1日から午前0時までの営業に踏み切った。

 時短要請で、午後9時以降の飲食店利用を控える人は少なくない。「利益を考えれば時短で協力金をもらう方がいい。でも常連客が来て、喜ぶ顔を見るのがうれしい」と手応えを語る。

 創業100年を迎える国分町の老舗「与五郎寿司本店」は、まん延防止等重点措置が解除された5月12日、午後10時までの通常営業に切り替えた。時短営業で社員の勤労意欲が下がり、「客がゆったりお酒と食事を楽しめる店」というモットーにも合わないと判断。県が求める感染予防策に従い営業する。

 菅原和幸部長(62)は「飲食店ごとに規模や営業スタイルは異なり、青葉区一律の時短延長に不公平感もある」と指摘する。「延長のたびに協力金の額は下がり、街に人が少なくなっている。街が死滅していく。もう街の明かりを消したくない」

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