河北抄(6/7):チリンチリーン。潮風を受けながら貸自転車…

 チリンチリーン。潮風を受けながら貸自転車をこぐ。昨年10月に復活した名取市閖上の市サイクルスポーツセンターが利用者10万人を達成したと聞いて訪れた。1周約4キロのサイクリングコースを巡ると、手前には貞山堀とつながる広浦が、遠くには蔵王連峰が見えた。走路脇には初夏の訪れを告げるハマヒルガオが咲く。爽快な気分でペダルを踏んだ。

 10年前の光景がうそのようだ。東日本大震災の津波で、海岸線間近の施設は壊滅した。走路は泥に埋もれ、なぎ倒された海岸林の樹木などが散乱していた。

 旧施設は1975年に開館した。自転車競技のほか、車いすマラソンやママチャリレース、トライアスロンなどのイベントが組まれ、人々に親しまれた。子どもの頃、夏に併設の海浜プールを利用した人も多いだろう。

 新施設にはプールこそないものの、親子で遊べる自転車広場、フットサルやスケートボードの練習場、宿泊施設やレストラン、日帰り天然温泉がある。大震災を乗り越えて、仙台圏の人々の新たな憩いの場に成長してほしい。

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