充実の楽天投手陣、指標で見る働きぶり 新人早川が前半トップ

 今季の東北楽天が誇る豪華先発投手陣の働きぶりがとにかくすごい。間もなく全日程の折り返しを迎えるタイミングで、指標の一つを用いて6投手を採点してみた。平均スコアで最も良いパフォーマンスを発揮しているのは黄金新人左腕の早川。先輩たちも負けじと高水準をキープし、ライバル球団がうらやむ布陣となっている。ちょっとマニアックな話になるが、頑張って説明してみたい。
(編集局コンテンツセンター・佐藤理史)

 使用した指標は、米大リーグの分析から生まれた「ゲームスコア バージョン2.0」。先発投手の投球内容を1試合ごとにテストの点数のように表す。おおむね50点ならまずまず、60点以上は良し、40点以下は残念な結果と受け取ってもらっていい。

 要は、長いイニングを投げて三振を多く取り、本塁打や失点が少なければ高得点になるというごく当たり前の話。59点と60点の間に実質的な違いはなく、大まかな傾向をつかむための指標だ。チームの勝率と強く相関するため、平均スコアが60の投手は約60%の確率で勝つことが期待される。

[メモ]「ゲームスコア バージョン2.0」の計算方法
 ・40点から開始する
 ・1アウトにつき2増
 ・1三振につき1増
 ・1四死球につき2減
 ・1安打につき2減
 ・1失点につき3減
 ・1本塁打につき6減

 いよいよ本題に入る。先発回数8~12の6投手(涌井、田中将、早川、岸、則本昂、滝中)を採点の対象とした。

 実績十分の涌井、田中将、岸、則本昂の4本柱を上回り、平均スコア59・7でトップに輝いたのは早川。初完封した5月16日のオリックス戦で出した92が今季のチーム最高点だ。五回を持たずに降板した試合はなく、安定感が光った。両リーグトップの7勝を上げているのもうなずける。

 大エース田中将は58・4。6投手の中で最高点73は最も低いが、最低点40は最も高い。成績にばらつきが少なく、ゲームメーク力の高さを裏付ける結果が出た。ファンの実感とも合うのではないだろうか。

 興味深いのは50・8と振るわなかった滝中。今季初登板の4月1日のロッテ戦で二回途中10失点し、マイナス13という悔しい値になった。ただ、その試合を除いた平均は59・9。上質な投球で懸命に挽回している。

 現状で6位は48・2の岸。3月30日のロッテ戦で完封し、最高のスタートを切ったが、その後は不安定な投球が続いた。6月8日の中日戦で約2カ月ぶりに勝利。復調気配を見せるベテランの今後に期待したい。

 則本昂は58・6、涌井は55・6とともに高水準をキープ。早川を含めた3人が開幕からローテーションを守ってイニングを稼いでおり、貢献度が高い。1試合目を除く滝中を含め5投手が50台後半に乗せており、首位を走るチームの屋台骨を支えている。

 他球団の主戦級と比較してみよう。オリックス山本(68・3)が突出し、日本ハム上沢(60・4)、ソフトバンク石川(57・5)と続く。西武高橋(47・7)、ロッテ美馬(43・4)は苦しむ。山本に加え宮城(67・1)、山岡(57・5)と3本柱がしっかりしているオリックスとともに、東北楽天の充実ぶりが浮き彫りになる。

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