<NPOの杜>共につくる子育て環境 NPO法人ベビースマイル石巻

ベビースマイル石巻の活動で、新聞を使って遊ぶ親子。ストレス発散に役立てる=18日、石巻市内
組織体制の強化を話し合うベビースマイル石巻のスタッフ=5月、石巻市内

 「ベビースマイル石巻」は、東日本大震災発生後の2011年5月、未就園児親子の居場所づくりや支援物資の受け入れ配布を行う任意団体として活動を始めました。翌年4月にはNPO法人格を取得。妊婦や未就園児の親子を対象に、親子の心身の健康増進、子育て環境の復興・再構築を目指して活動しています。代表理事を務める荒木裕美さんにお話を伺いました。

 ベビースマイル石巻の活動は親子の遊び場・居場所の提供をはじめ、相談援助や講習会の開催、情報提供、サークル支援など多岐にわたります。子育てサロンやカフェの自主運営、地域の子育て情報「お産と子育てリソースマップ」の作成・提供などを通し子育て世帯とそのニーズに身近に接し、取り組みを進めてきました。

 支援関係者とのネットワーク形成にも力を入れてきました。その積み重ねが、15年に蛇田地区で始まった石巻市からの委託事業「マタニティ・子育てひろばスマイル(地域子育て支援拠点事業)」などの運営につながりました。

 しかし、活動を展開する中で「個別のニーズに柔軟に応えるためには場や仕組みだけでなく、日常生活上の子育て環境の充実が大事」と、あらためて感じた荒木さん。震災からの復興支援活動を経て、石巻の子育て支援関連の資源は増え良くなっていると言いますが、今後はまちづくりに「子育て環境づくり」をしっかり組み込んでいきたいと意欲的です。

 環境づくりに欠かせないのは、地域人材の掘り起こしと活躍の場づくりです。

 ベビースマイル石巻は赤い羽根共同募金を財源に、研修を受けた子育て経験のある地域のボランティアが未就学児がいる世帯を訪問し、傾聴、家事支援等の活動をする「家庭訪問型子育て支援ボランティア事業」に取り組んでいます。地域の方々の「何かしてみたい」という思いをくみ、子育て環境づくりへの参画につなげています。

 また、困り事があるお母さんたちのつながりを生活圏域の中でつくることが大事だと、企業、町内会、まちづくり協議会などとの連携を深めたいと考えています。細やかにニーズを捉え、現状を理解しているNPOだからこそできる橋渡しの役割です。

 「孤立する母親や子どもは支援の対象だけではなく、社会に参加して力を発揮できる存在」。こうしたベビースマイル石巻の理念は、団体の体制にも映し出されています。スタッフの半分ほどが当初は利用者や参加者だった方々。本年度は運営基盤整備のため、3人の正規スタッフと十数人のパートスタッフが、新ビジョンの策定などに取り組んでいます。

 「身近な支え合いが命を守ることもある。ささやかな困り事にも手が届くような環境づくりを目指したい」と荒木さん。次の展開を見据えています。
(認定NPO法人杜の伝言板ゆるる 真壁さおり)

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 特定非営利活動法人ベビースマイル石巻のホームページはhttps://www.forbabysmile.com/

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私たちの周りでは、たくさんの市民団体・NPOが地域課題の解決などを目指して活動しています。「認定NPO法人杜の伝言板ゆるる」と「NPO法人せんだい・みやぎNPOセンター」が交代で担当し、さまざまな団体の活動や地域課題について伝えていきます。


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