2019年度の文部科学省の調査で、宮城県は小中学校の不登校児童生徒数の割合が全国1位。「不登校で1位なんて不名誉」と感じるかもしれません。しかし、不登校の原因は多様化しており、誰にでも起こり得るものです。学校に行けない、行くのがつらいと感じる子どもたちの居場所として、フリースクールの重要性が高まっています。
20年4月、フリースクール空白地帯だった大崎市岩出山の中心部に「一般社団法人フリースペース道」が開設されました。56年前に建てられた民家を活用し、木枠のガラス戸から光が差し込む広い縁側もあります。
新型コロナウイルス感染症による小中学校の休校措置で、開設後2カ月間は問い合わせがありませんでしたが、現在は小学生3人、中学生2人の子どもが通っています。子どもたちは勉強や読書をして過ごし、時にはしそ巻き作りに挑戦したり、乗馬体験などの課外学習をしたりと、自由に伸び伸び過ごしています。
団体の前身となったのは、代表の高橋雅道さんが2018年9月に立ち上げた「大崎不登校を考える会」です。不登校に悩む親の会を月1回開いてきました。「不登校」という言葉は、学校に通うことが当たり前としてきた側からできた言葉。「不登校のイメージを変えたい」と話す高橋さんは、自宅でも学校でもないフリースクールという居場所があることを、もっと知ってほしいと訴えます。
フリースペース道に通う子どもたちには、それぞれ在籍する学校があります。以前は学校に通わなければ欠席扱いとされてきましたが、現在「教育機会確保法」によって学校を休むことが認められています。不登校のため学校で勉強する機会を失った児童生徒に登校を強制せず、それぞれに合った学習環境を保障するため定められた法律です。
高橋さんは定期的に各校へ足を運び、生活面や学習状況を伝えて情報共有をしています。学校との連携により、フリースペース道に通う子ども全員が「学校に出席している」と認められています。
フリースペース道は「多様な学びを共につくる・みやぎネットワーク」の構成団体として、昨年11月に発行された「みやぎ子どもの居場所マップ」の作成に携わりました。県内のフリースクールや学習支援の場などが掲載されています。
「県内には約4000人の不登校児童生徒がいるとされているが、フリースクールに通えているのは100人に満たない。多くの子どもは行き場がない」。高橋さんは心配し、マップの活用を呼び掛けています。
保護者から「元気がなく、ふさぎ込んでいた子どもが明るくなった」という声もあり、高橋さんは「子どもの変化を実感している」と話します。「不登校はいけないこと」「学校になじめないのは甘え」といった考え方で子どもが自身を追い詰めてしまわないよう、学校を休むことへの理解とフリースクールという選択肢を社会に広く伝える必要があります。
(認定NPO法人杜の伝言板ゆるる 大宮佳奈)
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「みやぎ子どもの居場所マップ」は公立の小中高校、公民館などに置かれているほか、みやぎネットワークのホームページからダウンロードもできます。
私たちの周りでは、たくさんの市民団体・NPOが地域課題の解決などを目指して活動しています。「認定NPO法人杜の伝言板ゆるる」と「NPO法人せんだい・みやぎNPOセンター」が交代で担当し、さまざまな団体の活動や地域課題について伝えていきます。
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