デスク日誌(7/2):宮越家の離れ

 津軽半島中部に位置する青森県中泊町。豪農だった「宮越家」の離れがにわかに脚光を浴びている。

 9代当主、正治が1920(大正9)年、妻の33歳の誕生祝いに建てた。外観は質素ながら、内部は銘木や高級建材が惜しげもなく使われている。

 目玉は窓を彩るステンドグラス群。「涼み座敷」の大型作品にはアジサイやコブシ、「円窓」には十三湖の景観、「風呂」にはアヤメやカワセミが配されている。日本のステンドグラス制作の先駆者、小川三知(さんち)(1867~1928年)の最高傑作の一つと言われている。

 町は昨年、所有者の協力を得て初めて庭園を含めた内部を公開し、今年も期間限定で見学者を受け入れている。先日、足を運んでぜいたくな空間を堪能した。

 戦前の大地主には「搾取」のイメージがつきまとうが、宮越家は小学校の建設など地域の発展にも力を注いだとされる。

 味わい深さを増したのが、案内してくれたボランティアガイドの存在。津軽弁を駆使し、ユーモアを交えながら「地元の宝」を知ってほしいという一生懸命さがひしひしと伝わった。
(青森総局長 大友庸一)

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