<とびらを開く>誰もが役割持ち交流 Open Village ノキシタ

ノキシタで働く各事業所のスタッフら=4月

 仙台市宮城野区の田子西地区にある「Open Village ノキシタ」は企業・NPO・社会福祉法人の協働運営による複合型施設で、高齢者や障害者をはじめ誰もが自由に過ごせる地域の拠点です。全体を統括するのは、20年以上にわたりこの地域のまちづくりに携わってきた建設コンサルタント大手の国際航業(東京)の子会社AiNest(アイネスト、仙台市)で、ノキシタは2019年5月にオープンしました。

 アイネスト社長で、ノキシタの「村長」こと加藤清也さんは「地区は東日本大震災で被災された方が移り住んでできた新しいまち。当初は地域との交流が少なかった」と振り返ります。拠点設立のきっかけは「やってもらってばかりだと、本当に何もできないような気がしてくる」という住民の声を聞いたことでした。「被災者を含め、高齢者・障害者・子どもは支援される側になりがち」と加藤さんは言います。

 住民の思いを受け「それぞれが何らかの役割を持って交流できる場があれば住民の健康寿命が延び、社会保障費の削減にもつながる。補助金や助成金に頼らず、利用者自らが無意識のうちに社会課題解決の役割を担う新しい仕組みをつくりたい」と考えました。

 建物は長く突き出した軒が特徴で、アイネストが運営する交流スペース、NPO法人シャロームの会(仙台市)が運営する就労支援カフェと保育園、社会福祉法人仙台はげみの会(仙台市)が運営する障害者サポートセンターが入っています。障害者サポートや保育園運営は経験豊富な事業者が最適と考え、価値観を共有できた2団体に依頼し、新たな場づくりを始めました。

 就労支援カフェ・オリーブの小路の副施設長の菊地仰(こう)さんは「障害のある当事者が働いており、子どもや高齢者との交流が良い刺激になっている」と話します。シャロームの杜ほいくえん園長の加藤陽子さんは「子どもたちはさまざまな人と触れ合う中で学び、利用者からは子どもに元気をもらえると言っていただける」とうれしさをにじませます。

 一人で過ごせる空間もあり、緩やかなつながりを大切にしながら、多様な交流が相乗効果を生んでいるノキシタ。そこには笑顔があふれ、生き生きとした雰囲気が流れています。
(NPO法人せんだい・みやぎNPOセンター 鶴巻さやか)

◎参考情報
Open Village ノキシタ
住    所 仙台市宮城野区田子西1の12の4
電    話 022(352)3022
ホームページ https://www.ainest.jp/
nokishita

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら
志民の輪

私たちの周りでは、たくさんの市民団体・NPOが地域課題の解決などを目指して活動しています。「認定NPO法人杜の伝言板ゆるる」と「NPO法人せんだい・みやぎNPOセンター」が交代で担当し、さまざまな団体の活動や地域課題について伝えていきます。

企画特集

先頭に戻る