グランピングにワーケーション、「今流」キャンプ人気

 新型コロナウイルス下、「3密」を回避できる野外レジャーとして、キャンプの人気が高まっている。ちょっとぜいたくなグランピングや、キャンプ場で仕事と休暇を両立させる「ワーケーションキャンプ」など、新しい楽しみ方も広がる。夏休みを前にキャンプを体験し、その魅力を探った。
(生活文化部・越中谷郁子)

細峯ベースでキャンプを楽しむ利用者=6月下旬、大崎市岩出山

一人でのんびりと

 大崎市岩出山の「細峯ベース」は昨年夏に、遊佐健治さん(52)と恵さん(50)夫妻が開いた、こぢんまりしたキャンプ場だ。
 「初心者でも道具がなくても、気軽に体験できる場をつくりたかった」と健治さん。調理器具など必要な道具は全てレンタルできる。「自然の中で、時間に追われる日々を忘れられる。年齢に関係なく生涯を通じて楽しめる」と魅力を語る。
 サイトは全部で7区画。備え付けの豪華なベッドやソファでゆったり過ごせるグランピングサイトが三つある(新型コロナ感染防止のため、現在は家族単位の利用に限る)。中でもサーカステントのようなかわいらしいテントに泊まるのが人気だという。設営の煩わしさがなく、見た目にもおしゃれで心が躍る。
 通常の区画サイトは四つ。無料の電源とWi-Fiが完備され、ワーケーションキャンプも可能だ。先月下旬、友人と訪れた宮城県大和町の映像制作業三浦清太朗さん(37)は、普段は週2回ほどソロキャンプに出掛ける。「自分のペースでのんびりできるのがいい。自分好みの道具を集めるのも楽しい」と、お気に入りのデニムのエプロンを見せてくれた。
 国は、国立公園でのワーケーションを推進し、キャンプ場のWi-Fi整備などを支援する。磐梯朝日国立公園にある休暇村裏磐梯(福島県北塩原村)は昨年秋、「手ぶらでキャンプ ワーケーションセット」プランを始めた。
 専用の2区画を用意。寝室とリビングの2部屋構造のトンネル型テントは設営済みで、ポータブル電源とポケットWi-Fiが付く。
 記者も先月下旬、テント横の木陰でパソコンを開き、原稿を書いてみた。心地よい風が吹き、鳥のさえずりが聞こえる。開放的な空間で約1時間、集中して取り組めた。
 休暇村裏磐梯の担当者は「リモート可能な働き方がさらに浸透すれば、平日に1人で利用する人も増えるのではないか」と期待する。
 キャンプ場の連絡先は、細峯ベースhttps://hosominebase.com、休暇村裏磐梯0241(32)2421。

細峯ベースのウェブサイト
仕事に疲れたら、緑の中でリフレッシュ。 テントで昼寝も気持ちがいい=福島県北塩原村の休暇村裏磐梯キャンプ場

90年代に次ぐブーム

 キャンプは、公立学校の週休2日制が導入された1990年代に爆発的人気となり、現在は第2次ブームと言われる。日本オートキャンプ協会によると、2019年にキャンプをした人は約860万人(推計)で、13年以降右肩上がりで増えている。
 新型コロナウイルス禍が、人気に拍車を掛けた。キャンプ場予約の大手サイト「なっぷ」の運営会社の調べでは、21年3~5月の予約件数は、19年同月比で2~4倍に伸びた。
 第2次ブームは、会員制交流サイト(SNS)の普及の影響が大きい。女性同士や1人でなど、スタイルが多様化し、自分に合った道具を集めて発信する人が増えた。仙台市のある女性ソロキャンパーは「キャンプ場がスタイルや道具の展示場みたいになっている」と言う。
 細峯ベースの遊佐健治さんは「コロナをきっかけにキャンプを始めて、その魅力に気付いた人は多い。コロナ終息後もブームは続くのではないか」と予測する。

親公認「火遊び」に夢中

 キャンプの魅力を体感しようと、6月初旬、家族5人で気仙沼市の休暇村気仙沼大島キャンプ場を訪れた。たき火台以外の道具は、全てレンタルした。
 テントは、海を見下ろす岩壁近くの松林に設置済み。小学生の息子3人は早速、たき火台に松の枯れ葉や松ぼっくり、小枝を投入して火起こしを始めた。「火が消えた」「小枝はこの太さがいいんじゃない」。普段はめったに火を目にしないからか、親公認の「火遊び」に夢中だった。
 飯ごう炊飯は長男(11)にお任せ。火加減に苦労していたが、初めてにしてはおいしく炊けた。地元スーパーで買ったホタテなどの海産物をバーベキューで味わい、ぜいたくな夕食となった。
 日が暮れた後は、たき火を囲む。星空の下、波の音を聞きながら、炎を眺めていただけだったが、リラックスタイムとなった。
 翌日は、日の出とともに起床。遊歩道を散歩すると、少し先を行く息子たちが血相を変えて戻ってきた。「カモシカがいる!」
 自然を肌で感じ、非日常を楽しめた。

たき火台で「火遊び」する子どもたち=気仙沼市の休暇村気仙沼大島キャンプ場
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