河北抄(7/14):思えば不思議で仕方ない。店や知人宅など目…

 思えば不思議で仕方ない。店や知人宅など目的の場所は大抵坂を上った先にある。上りも下りも本来一つの道だ。つらい道のりが印象に残っているせいなのだろう。分かってはいても釈然としない。

 小欄の筆者は仙台市西部に生まれ育った。自宅も実家の近くにある。長大な傾斜の途中に生活の場があり、どこへ行くにも坂道を回避するすべはない。

 仙台は坂道の多い街だそうだ。河岸段丘の上に市街地が形成されているのが理由という。大坂、新坂(青葉区)石名坂(若林区)…。仙台城下を代表する七つの坂は仙台七坂とも呼び習わされた。

 「詩的なAdventure(冒険)」「浪漫的なあこがれ」。萩原朔太郎は坂道のある風景をこう記した。日常から詩情をすくい取る感性には感服するが、詩人の境地には到底達しそうにない。

 坂道は、時に試練にも例えられる。現代社会が直面する事態がまさにそう。でも、永遠に続く坂はなく、道の先には必ず新たな地平が広がっている。暮らしから学んだ真理だ。息苦しい日々が続くことはあるまい。

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