【動画】宮城知事、四面楚歌の構図続く 五輪有観客を譲らず

対策会議後に開かれた共同記者会見
村井嘉浩宮城県知事
村井知事がオンライン参加した共同記者会見。県庁の出席者と直接やりとりする場面はなかった

 新型コロナウイルスの感染再拡大を受け、宮城県は16日、仙台市全域の酒類提供店などに時短営業の再要請を決めた。期間中に宮城スタジアム(宮城県利府町)で行われる東京五輪サッカー競技の試合について、村井嘉浩知事は「考え方に変わりはない。有観客で行う」と従来の姿勢を堅持した。同日の共同記者会見で郡和子仙台市長や医療の専門家は、反対を相次いで表明。四面楚歌(そか)の構図にも、知事は立ち止まる気配がない。

 「人の流れを抑制するもう一つの大きなポイントは五輪だ。総合的なリスクの抑制ができてこそ、感染対策は効果的になる」
 東北医科薬科大の賀来満夫特任教授(感染制御学)は、時短要請を決めた対策本部会議で議題になかった有観客問題に触れ、知事に再考を迫った。
 直後の記者会見でも、賀来氏は「五輪の高揚感がもたらすスタジアム外での行動は予測できない」と指摘。対策には県民の共感が重要だとして「無観客とセットで一貫性のあるメッセージにするのが望ましい」と強調した。仙台市医師会の安藤健二郎会長も「感染者の増加傾向が強まれば、直前でも無観客の決断を」と同調した。
 出張中の東京からオンライン参加した村井知事は「過去の時短期間も大きなイベントは人数制限をかけながら実施している」と反論。楽天生命パーク宮城(仙台市)で24、25日行われる野球日本代表の強化試合を有観客で行うことなどを挙げ、「五輪だけが駄目では不公平で、一貫性がない。医学的見地は分かるが、総合的判断だ」と政治決断に自信を見せた。
 大会組織委員会に13日、無観客を要請した郡市長も「無観客の方が安全安心だ」と改めて主張。「プロ野球などの主催団体は感染対策を徹底するが、大会組織委からは『直行直帰』の具体策が何も示されていない」と弱点を突いた。
 村井知事は「五輪もしっかり対策が行われる。スタジアムでの観客同士のクラスター(感染者集団)の事例はほとんどない」と意に介さない。「観戦が終わった後、仙台市中心部に帰った時間帯にはもうお酒が飲めない。時短によってサッカーがしやすくなったと捉えることもできる」との見方も示した。

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