「ラン活」高まる熱、商戦前倒し 新型コロナで販売方法変化 ジェンダーレスモデルも登場

 夏休みに祖父母と一緒にランドセル選び。今年はそんな光景が少なくなりそうです。2022年春の新1年生を対象にしたランドセル商戦は出足が早く、大型連休から好調でした。新型コロナウイルスの影響で販売方法も変わっています。宮城県内の傾向を取材しました。
(編集局コンテンツセンター・佐藤琢磨)

カラフルなランドセルがそろう藤崎の特設売り場

 欲しいランドセルを手に入れるための保護者の「ラン活」熱は年々高まっています。メーカーなどで構成する日本鞄協会ランドセル工業会によると、18年の購入は8月が最多の19・2%でしたが、20年は5月13・4%、6月14・3%、8月14・4%と、山が崩れて購買の動きが早まっていることが分かります。
 百貨店の藤崎(仙台市青葉区)は4月初旬に特設会場を設け、自社製品や子ども服ブランドの約300種類を販売。価格は5万~13万円台で、6万円台が一番売れています。ランドセルアドバイザーの武者絢佳さんは「今年は5、6月と忙しく、週末の混雑は8月のお盆まで続きそう」と見ています。
 女の子は特に色やデザイン選びに熱心で「刺しゅうやチャーム(飾り)の付いたかわいらしいデザインが好まれています」(武者さん)。人気のブランドは4月に一部が完売しました。

イオンスタイル新利府店の売り場には色とりどりのランドセルが並ぶ

 流通大手イオンがランドセルの予約会を始めたのも4月でした。イオンスタイル新利府店(利府町)では、自社製品や大手ランドセルメーカーの約230種類を取り扱っています。価格は3万~8万円台で、こちらも売れ筋は6万円前後。最近は授業で使うタブレットのケースが付いたものもあります。
 イオンスタイルの宮形充さん(33)によると、男の子はスポーツメーカー、女の子はファッションブランドの製品が好評。いずれも生産量が少なく、色によっては5月で完売します。
 人気の色は男の子が黒や紺、女の子はパステルカラー。ミントカラーが売れている藤崎では「鬼滅の刃など、アニメのキャラクターの衣装の色も影響しているよう」と分析します。イオンスタイルでは薄紫がダントツだとか。

性別を問わず背負える色をテーマにした土屋鞄製造所のランドセル

 性別にとらわれない色を提案するメーカーもあります。職人が手作りする専門店「土屋鞄製造所」(東京)は、22年用にベーシックな黒、赤、紺、茶、グレーをそろえた「RECO(レコ)」シリーズ(7万9000円)を発売しました。
 土屋鞄製造所の「童具店・仙台」(青葉区)店長高野政則さん(28)は「赤はプロ野球・東北楽天のイメージカラーに近い色合いと言うと、男の子の保護者も納得します」と話します。
 ジェンダーレスや性の多様性への理解が広がり、売り上げを伸ばしています。仙台市宮城野区の40代女性は「売り切れる前に娘が選んだ色を購入できて満足」と店を後にしました。

接客の予約や有料試着も

 コロナ禍で来店スタイルも変わりました。藤崎は土日に最大6組と入場制限を設けています。「少人数、短時間」で、同行する祖父母の姿は少なくなったそうです。テレビ電話で祖父母に中継しながら購入したケースもあったそうです。
 イオンスタイル新利府店は東北で唯一、接客予約が可能。宮形さんは「待たずに専門スタッフが対応できます。スムーズに買い物がしたい場合はご利用を」と呼び掛けます。
 土屋鞄も予約制を採用。LINE公式アカウントでのチャットやビデオ通話での相談受け付け、試着用のレンタルランドセル(1回3000円)も用意しています。高野さんは「好きなランドセルを背負い、楽しい学校生活を送ってもらえれば」と願います。

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