猛攻12得点、東北学院初Ⅴ 高校野球宮城大会

仙台三―東北学院 5回表東北学院1死満塁、伊東が左越えに2点二塁打を放ち、4―2と勝ち越す。投手小野、捕手藤原

 第103回全国高校野球選手権宮城大会最終日は23日、石巻市民球場で決勝が行われ、東北学院が仙台三を破り、初の甲子園出場を決めた。

 初めて決勝に臨んだ東北学院は12-5で逆転勝ち。0-2の五回、伊東大夢の2点二塁打など長短4安打に3四球を絡めて計8点を奪い、九回には4点を加えて突き放した。仙台三は序盤にリードしたものの投手陣が踏ん張れなかった。

 全国大会は8月3日にオンライン形式で組み合わせ抽選会があり、9日に開幕する。

エース伊東、投打に躍動

 【評】東北学院が大勝した。0-2の五回、伊東の2点二塁打など打者13人の猛攻で一挙に8得点。九回にも加藤の左前適時打などで4点を加えて突き放した。主戦伊東は粘りを見せて完投した。仙台三は東北学院の守りのミスを突いて三回に2点を先行したが、五回に逆転された。2-8の六回に5連打で3点差に詰め寄ったが、大量失点が重かった。

 エースで4番。東北学院は伊東の投打にわたる活躍で初の甲子園切符をつかみ取った。

 左打者としての見せ場は五回だ。2点差を追い付き、なおも1死満塁。2球で追い込まれたが、ボール三つを選んだ後にファウルで粘って8球目、根負けしたように甘く入った仙台三・小野のチェンジアップを逆らわずに左方向へ運ぶ。

 打球の行方はほとんど見ていなかった。「抜けてくれと思って走っていたら歓声がどんどん大きくなった」(伊東)。左越えの二塁打となって2点を勝ち越し。この回は打者13人の猛攻で計8点を奪い、主導権をがっちり握った。

 投げては5失点完投。右腕は無四球と制球が良く、10安打を許しながらも大崩れしなかった。九回は7点のリードをもらってマウンドへ。最後の打者を二ゴロに仕留めると、人さし指を突き立てて仲間たちと喜びを分かち合った。

 仙台市中野小1年の時に東日本大震災を経験した。沿岸の自宅は津波で全壊して転校を余儀なくされた。

 震災から10年の夏に甲子園の土を踏む。「お世話になった人に恩返しできたかな」。苦難を乗り越えてきた右腕は「ライバルたちの気持ちを背負い、宮城代表に恥じない全力プレーをする」と大舞台での躍進を誓った。
(北村早智里)

仙台三―東北学院 5回表のピンチで主戦小野(左から2人目)の元に集まる仙台三ナイン

仙台三の主戦小野、無念の降板

 魔球のようなチェンジアップで打者を手玉に取ってきた仙台三の主戦小野が力尽きた。4回2/3を8失点で無念の途中降板となったが「自分の力は出せた」と吹っ切れた様子で話した。

 立ち上がりは上々だった。打線が三回に2点を先取し、四回まで無失点と好投。仙台三ペースで試合が進んでいたが、五回のマウンドで事態は暗転した。

 先頭打者に安打を許すと四球も絡み、たちまち同点とされた。なおも1死満塁、フルカウントから伊東に投じたチェンジアップがわずかに浮く。打球は左越えの2点二塁打となり、この回に計8点を失った。

 準決勝に続く先発で、決勝独特の雰囲気、そして猛暑。「心に体がついていかなかった」と小野は振り返る。佐々木監督は「プレッシャーや疲れがあったのかもしれない」と言う。

 昨秋の県大会で東北にコールド負けした小野は悔しさを糧に、チェンジアップを磨き上げた。大きな武器を身に付け、ノーシードのチームを決勝までけん引してきた。

 1983年、89年に続き3度目の決勝進出を果たしながら、またも突き破れなかった最後の壁。それでも左腕は「ここまで来られたのは、やるべきことをやり切れた結果。そこは胸を張りたい」と笑みを浮かべた。
(斎藤大輝)

卒業生の思いも

 東北学院・渡辺徹監督の話 卒業生の思いも一緒に戦っている気がしていた。選手は大会を通してたくましくなった。甲子園をホームグラウンドのように満喫し、県代表として恥ずかしくない戦いをしたい。

攻撃切れ目なく

 東北学院・古沢環主将の話 甲子園という目標のために1年やってきたのでうれしい。今日は切れ目ない攻撃ができた。甲子園は強いチームが集まるが、やってきたことを信じて一戦必勝で力を出し切りたい。

継投に遅れ出た

 仙台三・佐々木久善監督の話 五回は継投のプランをいろいろ考えていたが(勝ち越された後に)2死を取ってあと一つと思い、継投が遅れてしまった。選手たちは持っている力以上のものを出せたと思う。

直球捉え切れず

 仙台三・佐藤千英主将の話 伊東投手の直球をしっかり打てなかったのが敗因。制球力、球威ともに今まで対戦した投手でナンバーワンだった。全国大会で自分たちの分まで投げ切ってほしい。

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