1日投開票が行われた仙台市長選は、現職の郡和子氏(64)が新人を17万票差で破り、再選を果たした。各党が事実上相乗りする構図に有権者の関心は薄れ、投票率は過去最低29・09%と低迷した。「無風選挙」はいかに形作られ、今後の市政に何をもたらすのか。
(報道部・高木大毅、古賀佑美)
4年間の変質を象徴するツーショットが実現した。
「新型コロナ対策に国民一丸となって立ち向かっている中、毎日為政を預かりながら選挙運動に当たっている郡さん。女性の仲間として応援するしかない」
台風8号が宮城に迫った7月27日、市中心部で街頭演説した郡氏の隣で、自民党参院議員の片山さつき氏が応援のマイクを握った。
党総務会長代理、憲法改正推進本部の副本部長を務める「党の顔」の一人。旧民進党衆院議員だった郡氏と並ぶ姿は、これまで想像さえ難しかった。2人を引き合わせたのは自民ベテラン市議の野田譲氏だった。
旧民進を源流とする立憲民主党の市議は、苦虫をかみつぶしたような顔で街頭演説を見守った。「考え方は真逆の2人。本来はあり得ない場面だが、自民に言われたなら断れない」と郡氏の胸中を推し量った。
2017年の前回選で旧民進、共産、社民などの支援を得て自民、公明が推した候補ら3人を抑えて初当選した郡氏。1期目前半は自公が過半数を占める市議会との関係に苦慮し、政策展開は「難産」が続いた。
円滑な市政運営のため、取ったスタンスは各党との「等距離」だった。19年の市議選で中立を貫くと市議会の空気も変わり、自民から「郡市長の評判は悪くない」と声が上がり始めた。新型コロナ対策や福祉、子育て支援は各党の要望を積極的に施策に取り入れた。
郡氏が政党に推薦を求めない「市民党」を掲げて再選立候補を表明すると、告示1週間前には、自公の過半数を含む超党派市議35人の「有志の会」が発足し、野田氏が会長に就任した。会に参加しない共産も自主的支援を表明。この時点で対立候補は無投票阻止を狙う新人1人だけで、郡氏の再選が実質的に決まった。
選挙戦を支える陣立ては4年前と一変した。陣営は盤石の態勢を守るため、前回は選対の中核を担った市民団体や連合宮城、旧民進関係者に「少し引いた形の支援」を要請。それが結果的に前回は一切なかった自民色の濃い陣営を生んだ。
1日午後8時。投票終了と同時に当選確実が報じられ、郡氏の事務所は圧勝に沸いた。4分後に到着した主役は集まった支持者に感謝しながら中へ進み、衆院議員時代に宮城1区でしのぎを削った自民の土井亨衆院議員とも腕を合わせた。
前回の選対本部長の新里宏二弁護士は、事務所後方で郡氏の決意表明を聞き、歓喜の後、言葉を選びながら、こうくぎを刺した。
「4年前、郡さんが市長選に出なければならない必然があったはず。どんな時も現場に目線を合わせることを忘れないでほしい」
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