新型コロナウイルス感染拡大に伴い、外出自粛や在宅勤務が広がり、家庭内のストレスが高まっている。イライラした気持ちのままに行動すると、家族関係を悪化させかねない。怒りをコントロールする手法として近年注目されているアンガーマネジメントの専門家を訪ね、上手に怒ることの重要性を教わった。
(生活文化部・安達孝太郎)
「怒りはもともと身を守るために人に備わっている感情。なくすのではなく、うまくコントロールすることが大切」。こう強調するのは日本アンガーマネジメント協会(東京)認定のアンガーマネジメントコンサルタントで同協会東北支部の前支部長、川上淳子さん(63)=多賀城市=だ。
「未知の感染症が広がり、多くの人が不安に思い、怒りを感じやすくなっていると思う」と説明。「家庭内では弱い立場の子どもにイライラが向けられがち。マイナス感情の連鎖を断ち切って」と訴える。
正しく怒るには、「衝動」「思考」「行動」の三つをコントロールすることが重要だという。
怒りを感じ、理性が働くまで6秒かかるというのが協会の考え方だ。「衝動的に行動せず、怒りのピークが通り過ぎるのを待って」
怒りの仕組みを知ることも、感情の制御には欠かせない。怒りの陰には「寂しい」「悔しい」といった気持ちが隠されているとして、そうしたマイナス感情をきちんと知ることが大切だという。
自身の価値観と向き合うのも大切だ。思考をコントロールし、他人の行動に対する許容範囲を広げることで、感情を制御しやすくなる。
行動のコントロールでは、相手よりも自分を変えることを心掛けることが重要だ。「変えられることと変えられないことを線引きして」とアドバイスする。
怒らないといけない場面ではどうしたらいいか。「他人を傷つけない、自分を傷つけない、物を壊さない」が基本。「我慢せず、上手に怒って」と呼び掛ける。
[アンガーマネジメント]1970年代に米国で生まれた心理トレーニングのプログラム。日本アンガーマネジメント協会の講座や、研修が各地で開かれ、2018年度は約24万人が受講している。講座の詳細は協会のホームページに掲載されている。
学校が長期間休みになった児童生徒のストレスにどう対処したらいいか。元小学校教諭の川上さんは、大人と子どもそれぞれにアンガーマネジメントの考え方が有用だという。
川上さんは小学校退職の1年半ほど前にアンガーマネジメントを学び始めた。最後に受け持った4年生のクラスで、家庭連絡カードを毎朝提出してもらっていた。そのカードに、子どもたちは前日の気持ちを赤(怒り)、黄(少しイライラ)、青(うれしい、または落ち着いている)のいずれかの色で表現し、その理由も書いた。児童とのコミュニケーションが進んだという。
そうした経験も踏まえ、「子どもの気持ちをきちんと聞いてあげることが大切。不安そうな表情をしていたら、『何かあった?』と声掛けしてあげてほしい」と大人の役割を指摘した。
子どもたちに、イライラした時には相手にしてほしいこと(してほしくないこと)と自分の気持ちをセットで伝えるよう教えると、上手に気持ちを言い表せるようになるという。
例えば、「ボールを取らないで」と言うのではなく、「ボールを取られて、僕は嫌だった」と自分を主語にして話すことで思いが伝わりやすくなる。「けんかをすることが多かった子が、自分の気持ちを言えるようになってトラブルが減った事例もある」と語る。
日本アンガーマネジメント協会の講座は各地で開かれている。大人向けだけでなく、子ども向けの講座を開くことができるインストラクターの養成講座もある。
協会の担当者は「米国では、アンガーマネジメントは子どもが社会の一員となるための必要な心理トレーニングと捉えられている」と説明し、日本での普及を目指している。
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