8日に閉幕した東京五輪では、競技以外の問題で傷ついた選手たちがいた。原因は会員制交流サイト(SNS)での誹謗(ひぼう)中傷だ。言葉の暴力は許されない。スポーツ団体は選手を救済、支援するための対策を急いで講じなければならない。同時に、選手を根拠のない中傷から守る空気を社会全体で醸成していく取り組みも求められる。
体操女子の村上茉愛選手もSNSで誹謗中傷を受けた。5位に入った個人総合の決勝後、具体的な内容には触れなかったものの「見たくなくても嫌なコメントを見てしまい、すごく残念だなと悲しかった」と、投稿に心を痛めたことを涙ながらに明かした。
フェンシング日本代表の男子選手も被害を受けた。日本フェンシング協会前会長で2008年北京、12年ロンドンの両五輪で銀メダルを獲得した太田雄貴さんが、ネガティブな感情を選手にぶつけるのをやめるように訴えた。
卓球男子の水谷隼選手(青森山田高-明大出)は、混合ダブルスで金メダルを獲得した後、ツイッターに大量のメッセージが届いた。中には「くたばれ!」「消えろ!」といった子どもじみた暴言や、人間性をけなすような罵倒もあったという。
水谷選手は「関係各所に連絡し、しかるべき措置を取る」と書き込み、毅然(きぜん)とした態度を見せた。だが、個々の選手が悪意に満ちた投稿者と対峙(たいじ)するのには限界がある。
日本オリンピック委員会(JOC)はSNS上の選手に対する書き込みを監視、記録している。国際オリンピック委員会(IOC)はメンタルヘルスの相談窓口開設やコーチらも含めた対応の仕方の検討に乗り出している。もう少し踏み込んで、両オリンピック委員会や各競技団体は、被害に遭った個々の選手の法的手続きの支援といった対応も必要だろう。
同様の問題では昨年、テレビ番組に出演した女子プロレスラーが死去した悲劇があった。SNSへの心ない書き込みに悩み、命を絶ったとされる。書き込んだ2人は侮辱罪で略式起訴され、東京簡裁は科料9000円の略式命令を出した。
インターネット上での匿名による誹謗中傷対策として、改正プロバイダー責任制限法が4月に成立。匿名の投稿者特定の迅速化が図られるようになった。誹謗中傷投稿に対する抑止効果が期待され、損害賠償を請求する被害者の救済につなげる狙いもある。
中傷を受けた被害者を救う動きは進みつつあるものの、「特効薬」となる手段は現段階では見当たらない。SNSの影響力が大きい時代に即したアスリートの支援態勢をどう構築していくのか。競技団体や選手、良心的なファンが一体となり、度が過ぎた誹謗中傷をやめるよう、広く地道に訴えていくことも一つの策だろう。
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