「アニメージュとジブリ展 一冊の雑誌からジブリは始まった」(実行委員会主催)が、石巻市の市複合文化施設で9月12日まで開催中だ。日本初の月刊アニメ専門誌として、全国のファンと制作者をつなぎ「伝道者」の役割を果たした「アニメージュ」。1980年代前半、高校生読者だった自らの体験を踏まえながら展示内容を紹介したい。(生活文化部・三浦康伸)
アニメーション映画「風の谷のナウシカ」(1984年、宮崎駿監督)の原画やセル画、当時の盛り上がりを示す資料が並ぶ会場の一角に、1枚のパネルが展示されている。
「宮城県のナウシカファン5人が作ってくれた旗の前で」と題された1983年アニメージュ11月号の見開きページ。銃を構え緊張した表情のナウシカを描いた旗(縦約3メートル、横約4メートル)を背に、宮崎監督と制作スタジオ「トップクラフト」のスタッフが記念写真に収まっている。
旗を制作したのは当時、宮城県築館高3年の筆者と佐藤淳さん(故人)らクラスメート5人。9月開催の文化祭に向け、夏休みのほとんどを費やした。築館高にはこの頃、全クラスが「クラス旗」を作り、祭り当日に校舎に展示するコンテストがあった。
筆者は同年7月、アニメ好きの友人佐藤君を誘い、旗制作グループに手を挙げた。当時、日本中がアニメブームに沸いていた。劇場版「宇宙戦艦ヤマト」(77年)がヒットし、「機動戦士ガンダム」(79年)が中高生の心をつかんでいた。そんな中、2人が選んだ題材は「ナウシカ」だった。
映画「ナウシカ」は、「ルパン三世カリオストロの城」(79年)の興行的失敗後、作品機会に恵まれなかった宮崎監督が4年ぶりに制作した劇場用作品だ。2人は「一人でも多くの人に『ナウシカ』を知ってもらえるよう応援し、大ヒットにつなげなければ」と勝手な使命感に燃えていた。
旗制作者の熱い思いをよそに、コンテストでは目立った成果も残せずに終わった。手元に残った巨大な旗をどうするか考えていた時、「あっ」と思い付いた。「アニメージュ編集部に送ったら、自分たちの熱気を感じてくれるかも」。映画公開は半年後の84年3月。仲間に黙って郵送を決行した。
約1カ月後、11月号を見て全身が震えた。「旗をバックに宮崎監督とスタッフが記念撮影をしている」。うれしさと同時に、こちらの思いを酌み、最大限の扱いで応えてくれた編集部への感謝の気持ちで胸がいっぱいになった。
編集部でこのページを担当した現スタジオジブリ執行役員の田居因(たいゆかり)さん(68)は「旗の絵が素晴らしく、編集者としてビジュアル的に映えると思った。トップクラフトの人たちもびっくりして、好意的に撮影に応じてくれた」と振り返る。
地方の一高校生の無鉄砲な発想を真正面から受け止め、誌面で応える。80年代のアニメージュには、アニメとファンをつなごうという情熱があふれていた。
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