河北抄(8/14):時計の針が勝手に進んでしまったのだろうか…

 時計の針が勝手に進んでしまったのだろうか。テレビの向こうの光景がそんなふうに見えた。昨年の全国戦没者追悼式。戦後75年の節目だったが、新型コロナウイルスの影響で様変わりした。

 参列者は過去最少の542人。前年の1割弱だった。宮城、山形など20府県の遺族は欠席した。いつか、そうなるのではないかと漠然と抱き続けていた不安が、実際に目の前に突き付けられた。

 お盆と終戦の日が重なっていることが、戦禍の記憶を世代間で共有するのに役立ってきたはず。残念だが、今夏も帰省を控えなくてはならないようだ。

 ウイルスはこれまでにない猛威を振るう。今月前半で比較してみても、昨年は全国の感染者が1600人に達した日はなかった。今年は10倍前後の日が並び、昨日とうとう2万人を超えた。

 このような状況では、あすの追悼式も昨年と同じか、それよりも小規模でしか行えないだろう。戦没者たちを寂しがらせないように、皆が思いを寄せる。厳戒の渦中ではあるが、努めて心静かに過ごしたい8月15日だ。

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら

企画特集

先頭に戻る