「夏黄金」100%のパン 美里町、9校の給食で提供へ

給食用パンの供給協定を締結後、「夏黄金」を手にPRする相沢町長(中央)ら関係者=5日

 宮城県内トップの小麦生産量を誇る美里町が、産地としての知名度を向上させようと動きだした。本年度は流通体制を整備するモデル事業に着手する。付加価値創出の一環として、9月16日から地元産小麦100%のパンを小中学校計9校の給食で提供する。

 町では毎週木曜に給食にパンが出されており、1回当たり約110キロの小麦粉が使われる。これまでは県学校給食会が県内の2業者にパン製造を委託し、学校に納入していた。

 町と町教委、新みやぎ農協みどりの地区本部は5日、給食用パンの供給協定を締結した。農協がパン製造を栗原市の業者に委託し、学校に納入する。製造経費は現在の水準近くに抑えられるという。

 みどりの地区本部の阿部雅良本部長は「地元の空気や水で育った小麦を子どもたちが食べることで、地産地消が実現できる」と期待を込める。

 主産地の同町南郷地区は、転作や農地整備により小麦生産が定着してきた。2019年度は町内産だけで県内生産量の3分の1(1420トン)を占めたが、小麦粉は製粉過程で他産地との区分が難しく、産地としての知名度は低いままだった。

 2年前、町内で作付けを始めた新品種「夏黄金(こがね)」が転機になった。パン作りに適した品種で、新みやぎ農協みどりの地区本部管内の生産量は915トン(19年度)と県内の9割超になる。町内では、夏黄金を使って付加価値のある商品を生み出す機運が高まっている。

 町は給食用パンの原料切り替えを産地PR戦略の第一歩と位置付けており、初年度の今年は同農協に約80万円を助成。農協は美里町産のみを製粉する工程を整備するほか、給食以外にも販路を広げようと今秋にも家庭用小麦粉(600グラム)の取り扱いを始める。県内外のスーパーなどで販売する計画だ。

 相沢清一町長は「美里の夏黄金を全国に羽ばたかせるスタートラインに立ったつもりで頑張りたい」と話している。

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