「ココア」と「ミーカ」、コロナ接触アプリを使ってみた 増える感染者、併用で安心2倍

 新型コロナウイルスの陽性が確認された人の濃厚接触者となった場合、スマートフォンに通知が届くサービス。感染拡大の防止につながるとして、宮城県は「みやぎお知らせコロナアプリ(MICA=ミーカ)」、厚生労働省は接触確認アプリ「COCOA(ココア)」をそれぞれ提供し、利用を推奨しています。どちらも運用開始から1年余り、どれくらい普及しているのでしょうか。二つを使い分ける必要はあるのでしょうか。調べました(編集局コンテンツセンター・藤沢和久)

施設訪れるたびメールアドレス入力

 コンサートやイベントが開かれる仙台市青葉区の東京エレクトロンホール宮城(宮城県民会館)。大ホールと楽屋、会議室計3カ所の入り口近くにMICAとココアのポスターが貼ってあります。

 記者は既にココアを使っていますが、MICAに登録してみました。ポスターのQRコードをスマホで読み取り、メールアドレスを確認のため2回入力しました。エラーが出たので見返すと、最初の文字が片方だけ大文字になっていました。アドレスを一文字ずつ正確に入力するのは難しいですね。

 対象は飲食店やライブハウス、公共施設など県内1026カ所(7月末時点)。同じ施設でも訪れるたびに手続きが必要で、使い勝手としてはちょっと面倒な気がします。県デジタルみやぎ推進課の担当者は「2回目以降、アドレスが自動で入る機種もあります」と言いますが、記者の端末は非対応でした。

 MICAは新型コロナウイルスの流行間もない2020年5月に運用が始まりました。登録すると、メールアドレスと訪問日時が県のサーバーに記録されます。情報公開請求などに使う「みやぎ電子申請サービス」を流用、新たなシステムを作らなかったため費用はかかっていません。

 県によると登録は2万4562件(7月末時点)にとどまり、感染者集団(クラスター)の特定に役立った例はまだありません。担当者は「MICAに登録している施設は感染対策の意識が高いところが多いからかも」と自虐気味に分析します。

コロナ対策アプリへの登録を呼び掛けるポスターとアプリの画面=16日午後4時ごろ、宮城県民会館

ココアの陽性登録はわずか2・4%

 対するココアはアプリをダウンロードして設定するだけでよく、毎回操作する必要はありません。受注企業が開発して2020年6月に運用を始めましたが、約4カ月にわたってアンドロイド版の利用者に接触通知が届かないという致命的な不具合がありました。

 ココアはスマホの近接通信機能「ブルートゥース」を用い、個々人の接触を記録します。約1・5メートル以内の範囲に他者が15分以上いた場合、「濃厚接触の可能性がある」とみなして互いのスマホに記録。陽性となった人が保健所の指示に沿って画面に入力すると、2週間以内に接触を記録した相手に通知が届きます。個人情報は特定されません。

 8月20日現在の累計感染者約126万人に対し、陽性登録件数は2・4%。導入時に安倍晋三前首相は「6割近くに普及すれば感染拡大防止の鍵になる」と強調しましたが、アプリのダウンロード数はおよそ3000万件と遠く及びません。そもそも、陽性となった人が登録しなければ濃厚接触の可能性がある相手には通知されず、実効性は利用者頼みです。

施設のクラスター発生は把握が容易

 同様のサービスが同じエリアに二つも必要なのでしょうか。県は「多数の人が出入りする建物を利用する場合」にはMICAを勧めます。

 ココアは接触者を一人ずつ芋づる式にたどる必要がありますが、MICAは施設でクラスター(感染者集団)が発生した場合、当該時間の利用者に一斉に網をかけることができます。

 県デジタルみやぎ推進課の担当者は「外に出れば、どこで陽性者と接触するか分からない状況。ココアをインストールした上で、対象施設でMICAにも登録してください」と併用を呼び掛けます。

 「濃厚接触の疑いあり」という通知は来ない方がいいのですが、感染者が急増する局面、いざという時には二重に構えていた方が安心できそうです。

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