接種後の「ブレークスルー感染」じわり 2回目終えても予防策徹底を

接種が進む新型コロナウイルスのワクチン(写真はイメージです)

 ワクチンを接種しても感染は防げない? 2回目の接種後2週間が経過してから陽性が判明する「ブレークスルー感染」が話題になっている。仙台市が7月以降の新型コロナウイルス感染者のワクチン接種状況を調べたところ、2回接種後に感染した人は10万人当たり20人となり、未接種で感染した人の273人と比べて13分の1以下になった。発症予防に一定の効果があることを数字が示した。(編集局コンテンツセンター・佐藤理史)

差は13倍以上

 7月1日~8月18日の新規感染者約1700人の接種歴を調査。2回接種を終えた人は60人いた。8月19日時点で重症化した患者はいない。未接種者は約1500人で9割弱を占めた。

 18日午後5時時点で、接種券を送付した12歳以上の約96万5000人のうち、約30万人が2回接種を終え、54万8000人が未接種だった。これを基に計算すると10万人当たりの新規感染者はそれぞれ20人、273人となり、13倍以上の差があった。

 新規感染者の接種状況については、厚生労働省が18日にアドバイザリーボード(助言機関)に示した資料でも同様の結果となった。10~12日の新規感染者約5万7000人の接種歴、12日時点の接種状況を基に計算した10万人当たりの数は2回の接種を終えた人が4人で、未接種の67人と比べて16分の1以下にとどまる。

発症と重症化防ぐ

 ワクチン接種の効果として期待されるのは、感染しても症状が出るのを抑える「発症予防」、症状が重くならない「重症化予防」。承認前の臨床試験では、感染そのものを防ぐ効果は確認されていないが、イスラエルや米国の疫学研究では、感染予防についても90%程度の有効率(ワクチンを接種しない場合に感染する人数が接種によって90%減る)と報告されている。

 ブレークスルー感染は仙台市で7月中旬以降、52人が確認された。市は積極的なワクチン接種を勧めるとともに、接種を終えた人にも引き続き感染予防の徹底を促す。

米「マスク着用不要」を修正

 ワクチン接種が日本より進む米国内の状況はどうか。米疾病対策センター(CDC)のウェブサイトによると9日現在、ブレークスルー感染による入院または死亡例は8054人報告された(他疾患による事例を含む)。2回の接種を終えた1億6600万人を基にすると、10万人当たり5人となる。

 CDCは「ブレークスルー感染はごく一部。ワクチンによって入院や死亡する可能性を低くできる」と強調する。接種完了者へのマスク着用は原則不要としていたが、変異株の急拡大を受けて修正。他の人にうつす恐れがあるとして、流行地域の屋内では着用を呼び掛けている。

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