古川ピボット、9月末閉館へ 食料雑貨店など6テナント撤退

 JR東日本東北総合サービス(仙台市)は23日、大崎市のJR古川駅1階にあるショッピングセンター「古川駅食品館ピボット」を9月末に閉館すると明らかにした。小売業界の競争激化に加え、新型コロナウイルス感染拡大による販売不振の影響を受け、一部のテナントを除いて31年間の歴史にピリオドを打つ。

 古川ピボットは1990年にファッション店街として開業し、98年に業態転換した。近年はテナントの苦境が続き、パン屋や精肉店などが撤退。店舗の入れ替えなどを進めたが、状況は改善しなかった。

 東北総合サービスが直営する食料雑貨店に加え、弁当店などのテナント計6店が閉店。直営の土産品店、全国チェーンの喫茶店など4店は営業を続ける。

 閉館に伴う空きスペースについて、JR東の仙台支社事業部は「具体策は決まっていない。地元にとってメリットのある活用法を探りたい」と説明する。

 仙台支社と大崎市は6月、計19人の若手職員によるワーキンググループを発足させ、今後の利用策を話し合っている。今年秋には提言をまとめる予定だ。

 古川駅周辺では2017年にヨークベニマル古川中里店が開店し、ドラッグストアのウエルシア、クスリのアオキが出店するなど競争が激化している。ピボットは古川の閉館に伴い、仙台原ノ町(仙台市宮城野区)、福島、郡山、会津若松の4施設となる。

9月末で閉館する大崎市の古川駅食品館ピボット

JR古川駅前の空洞化に懸念も

 JR古川駅の中核的な集客施設だった古川ピボットの閉館が決まり、大崎市内では「宮城県北の玄関口となっている駅前の空洞化に拍車が掛かるのではないか」と、先行きを不安視する声が広がっている。

 「駅前の活性化対策は古川中心部にとって長年の懸案だった」。古川商工会議所の村田秀彦会頭は語る。

 駅前の10・4ヘクタールは東北新幹線開業と駅の移転に伴って区画整理事業が旧古川市主導で進められ、1987年に完成した。バブル崩壊や郊外型店舗の進出で商業施設の立地が進まず、2001年には大型店の古川サティが撤退した。

 旧古川市は99年、中心市街地活性化基本計画を策定。市民向けの「緒絶(おだえ)川周辺地区」に対し、駅周辺は外からの来訪者を迎える「広域中心商業業務地区」と位置付けたが、開発は進まなかった。

 古川ピボットの閉館決定を受け、村田会頭は「駅中と駅前は一緒に考える必要がある。市役所に近い緒絶川周辺の七日町西地区再開発事業が一段落したら、本格的に検討する必要がある」との考えを示す。

 駅前で客待ちをしていた大崎市古川のタクシー運転手門脇文利さん(76)は「閉館を知り驚いた。タクシーの利用客がますます減りかねないので、跡地利用を早く進めてほしい」と求めた。

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