(49)萩の記憶鮮明にして食ひ違ふ/小林 貴子(1959年~)
風に揺れながら垂れ下がる枝の、細やかな葉の間に、萩は小さな赤紫の花を咲かせます。萩の記憶とはいったいどんな記憶でしょうか。花の前で話をしたのかも、素敵な出会いがあったのかもしれません。その記憶は細部まで鮮やかに思い出すことができますが、相手側の記憶や事実とは何かがずれていました。矛盾した二つのこと…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。