(51)秋声や一筆入魂の掠れ/高橋 綾(1999年~)
8月も後半、いよいよ秋の感じが強まってきた。「秋の声」が季題。藤原敏行の<秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる>の世界が背景にある言葉である。力強い書の余白や掠(かす)れと、秋の原を吹き抜ける白い風のイメージはどこか重なる。夏休み後のうら寂しい枯向日葵(ひまわり)、誰もいない浜…
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- ・(50)赤とんぼじっとしたまま明日どうする/渥美 清(1928~1996年)
- ・(49)萩の記憶鮮明にして食ひ違ふ/小林 貴子(1959年~)
- ・(48)ランタンが割れて世界が蛾蛾蛾蛾蛾/未来羽(2000年~)
- ・(47)癩(らい)踊るみな来世(らいせい)を見る眼して/大野 林火(1904~1982年)
- ・(46)教室は波の明るさ鰯雲/今井 聖(1950年~)
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。