(51)秋声や一筆入魂の掠れ/高橋 綾(1999年~)

 8月も後半、いよいよ秋の感じが強まってきた。「秋の声」が季題。藤原敏行の<秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞおどろかれぬる>の世界が背景にある言葉である。力強い書の余白や掠(かす)れと、秋の原を吹き抜ける白い風のイメージはどこか重なる。夏休み後のうら寂しい枯向日葵(ひまわり)、誰もいない浜…。そんな初秋の情景も大いなる自然の力の発現なのである。夏は終わったが、秋は秋で食欲の秋、芸術の秋、いい季節である。作者は東北学院大4年生。「むじな二〇一八」より。(浅川芳直)

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら
秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。


企画特集

先頭に戻る