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(53)かなしみに表面張力ありて蝦蟇(がま)/塩野谷 仁(1939年~)

 表面張力というと、コップからあふれそうでこぼれないでいる水を連想する。液体の表面積をできるだけ小さく縮めようとする力だ。作者は「かなしみ」にもそれがあるという。かなしみという水をできるだけ小さく縮めようとじっと耐えているのだ。季語「蝦蟇」はガマの油の口上のように、醜い容貌の象徴として扱われている。…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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