◎呼吸器内科長 杉浦 久敏 教授
「息切れ」は呼吸器内科を受診する患者さんが訴える、最もポピュラーな症状の一つです。多くの呼吸器疾患は病状が進行すると息切れ症状を伴います。一方で、主訴が息切れ症状であっても、その原因は必ずしも呼吸器疾患に限らず、全身疾患を含めて多岐にわたります。うっ血性心不全や貧血、肥満、不安神経症などの心因的な原因でも息切れを感じます。
■各専門科が連携
われわれは問診、理学的所見、そして種々の画像検査や呼吸機能検査、血液検査などを駆使して鑑別診断を行います。東北大病院では各専門科が連携しており、呼吸器以外の疾患が見つかった場合でもスムーズに適切な診療を受けることが可能です。
患者さんが「息切れ」と表現した際に、安静時の症状か、体動時の症状かを問診します。安静時の呼吸困難であれば、より重篤な疾患や状態を想定します。次に、症状が突然の発症か、あるいは慢性症状かによって、鑑別する疾患が異なります。
では、息切れ症状を呈する呼吸器疾患にはどのようなものがあるでしょうか?
代表的なのは、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)です。もちろん、間質性肺炎や肺がん、ぜんそくなどでも息切れ症状を感じますが、40歳以上の喫煙者で慢性的な息切れやせき、たんを自覚する場合はCOPDを疑い、医療機関を受診する必要があります。
COPDは、気管支が狭くなることでスムーズに息を吐くことができず、体動時に肺内に空気が残存し呼吸が苦しくなります。まさしく体動時の息切れ症状の代表的疾患と言えるでしょう。診断するためには肺機能検査が必須となりますので、症状が軽い状態でも検査を受けることをお勧めします。
COPDの治療では、適切な気管支拡張薬を使用することで症状や予後が改善します。またCOPD患者の25%はぜんそくを合併しています。この場合には吸入ステロイド薬と気管支拡張薬を併用します。
■多数の潜在患者
COPDは緩やかに進行する疾患のため、息切れを感じる患者さんの多くは「年のせいかな?」と考えてしまいがちです。潜在的患者数は500万人以上とも言われ、日本人男性の死因の第8位です。老化関連疾患でもあることから、超高齢化が進むわが国においてますます対策が重要になります。
適切な診断と治療を行うことで健康寿命の延伸が期待できるので、息切れ症状を感じた場合は、ぜひ当病院呼吸器内科を受診していただければと思います。
「健康講座」では、宮城県内各医師会の講演会や河北新報社「元気!健康!地域セミナー」での講座内容を採録し、最新の医療事情と病気予防対策を分かりやすく伝えていきます。リレーエッセー「医進伝心」もあります。
宮城の高校情報満載!英語リスニング問題はこちらから
見て、聞いて、キャンパスの雰囲気を感じよう!
大学9校のオープンキャンパス情報や先輩学生の声。仙台圏での生活情報も満載!
東北の未来に向けて、みんなで手を取り合い、様々な活動に取り組んでいます。
SDGsマインドの向上をはかるための「みやぎSDGsアンバサダー」育成プログラム活動を紹介中!
2022年度企画10月スタート!詳しくはWEBサイトへ
東北6県7新聞社が東北全体の活性化を目指し明るい未来の創造を目指します
みやぎの職場を元気に健康に!健サポフレンズも新規会員募集中
特選不動産情報(毎週金曜日更新)
仙台「四方よし」企業大賞
2022あしたのみどりキャンペーン
Job探:仙台・宮城の求人情報
みやぎのいいものご案内!47CLUB
宮城の赤ちゃんへ贈ります「すくすくばこ」好評受け付け中!
LINEスタンプ「かほピョンとなかまたち」
宮城県からのお知らせ
みやぎ復興情報ポータルサイト
杜の囲碁サロン
位置情報連動型スマホ広告サービス LocAD+(ロカドプラス)
Copyright © KAHOKU SHIMPO PUBLISHING CO.