バイオマス燃料自給の可能性探る 東北電秋田火力構内で栽培試験

 東北電力は秋田火力発電所(秋田市)の構内で、バイオマス燃料の原料となる植物の栽培試験を始めた。2023年度までの3年間で、東北の気候に合う品種や生育方法を確認する。石炭火力発電の脱炭素化を迫られる中、混焼用バイオマス燃料の自給の可能性を探る。

秋田火力発電所の敷地で試験栽培中のソルガム=8月23日(東北電力提供)

 秋田火力の遊休地に約1600平方メートルの畑を作り、7月20日、いずれもイネ科のソルガム、エリアンサス、ジャイアントミスカンサスを植えた。3種とも栽培の手間が少なく成長が早いなどの特徴があり、粉砕して粒状のペレットに固めるとバイオマス燃料になる。

 栽培試験では、肥料を与えるかどうか、除草をするかどうかなどの条件を細かく変え、収穫量のほか、刈り取った際の水分量、ペレットへの加工のしやすさ、燃やした時の発熱量などを比較する。3年間かけて連作の影響なども調べる。

 今月4日現在、種から育てたソルガムは約2・2メートル、苗を植えたエリアンサスとジャイアントミスカンサスは約1・3メートルまで伸びた。ソルガムは10月、他の2種類は12月と来年2月の2回に分けて収穫する。秋田火力の担当者は「このまま順調に育ってほしい」と語る。

 東北電が栽培試験を開始したのは、50年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする政府目標の達成に向けて、石炭火力に混焼するバイオマス燃料の需要増加に対応するためだ。

 石炭火力にバイオマス燃料を混焼すると、二酸化炭素(CO2)排出量を植物の成長過程のCO2吸収量で相殺できる。電力各社は通常1~3%とされる混焼率の向上に取り組んでいる。

 東北電の場合、能代火力(能代市)、原町火力(南相馬市)の両発電所で、地元の未利用材を粉砕した木質チップを1%ほど混焼している。20年度の消費量は計4万6000トンで、混焼率が上がれば必要量はさらに増える。

 栽培試験の結果を踏まえ、東北電は24年度以降、バイオマス燃料の自社製造の検討に入る方針。同社広報は「混焼率向上には調達先の多角化が必要。必要となるバイオマス燃料の一部でも自社で作ることができれば、脱炭素化にかかるコストを抑えられる」と説明する。

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