新人が当選後の定例会に出られない? 秋田・三種町議会の「珍現象」解消なるか

 来年6月30日に任期満了を迎える秋田県三種町議会(定数16、欠員1)で、議会を自主解散して任期を1カ月前倒しする議論が再燃している。過去3回の町議選は5月に町長選との同日選で行われ、新人は当選しても直後の6月定例会には出席できなかった。自主解散は前回町議選前にも検討されたが不調に終わっており、次期町議選までに実現するかどうかは不透明だ。(秋田総局・池田隆平)

自主解散について議論した秋田県三種町議会の全員協議会=8月23日

 2006年3月に旧3町が合併した三種町は、最初の町長選を同年4月に実施。一方、「町長、議員とも不在になるのを避ける」との理由で、議員の任期を合併特例法に基づく在任特例で6月30日まで延期したのが事の始まりだった。

 初回こそ町長選は4月、町議選は6月と別々だったが、次回の10年からは選挙事務の簡略化や経費削減のため、町長選と町議選が同日となり、5月中旬に行われるようになった。

 この結果、町議選で落選しても任期が1カ月半近く残り、当選した新人が定例会に参加できるのは9月からという「珍現象」が生じるようになった。

 町長選後の6月定例会は、3月定例会で骨格にとどまった町の当初予算を本格的に審議する場。2期目の成田光一町議(65)は「選挙からだいぶたつのに、当選した新人が重要な定例会に出られないのは有権者にとっても分かりにくい」と指摘する。自身も初当選した14年の6月定例会に出席できなかった。

解消策の自主解散決議案、前回は否決

 この状態を解消しようと、成田氏らが訴えているのが自主解散による任期の前倒しだ。今年5月の町議会全員協議会で提案し、7月には町議有志による勉強会を開催した。

 自主解散を巡り町議会は16年8月、町民らの声を受け議会改革特別委員会を設置。17年6月の臨時会で「(選挙実施前の)18年4月に自主解散をする」との決議案を提出したが、2票差で否決された。当時は4月に解散すると6月の期末手当(約43万円)が支給されなくなるなど「報酬の減額が否決の理由ではないか」とささやかれた。

 成田氏は今年8月23日の全員協議会で「公職選挙法上は選挙後の解散も可能だ」として、5月の町議選後の「5月31日解散」を新たに提案した。その場合、期末手当は満額支給されるという。

 選挙で落ちた議員が約1カ月半も議員を務めることへの「違和感」が見直しを求める背景の一つに挙げられているが、任期を全うしているだけであり、法的に問題はない。

 議会内には「何の権限で解散しようとしているのか」「そもそも9月定例会からの参加になることは分かった上で議員になっているはずだ」との声もある。

 議会の自主解散には議員数の4分の3以上が出席する議会で5分の4以上の同意が必要。議会関係者は「選挙のたびにこの問題がくすぶり続けるのは良くない。ただ、採決できる状況まで進むかどうかは分からない」と話す。

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