河北春秋(9/14):「歩きスマホ」の人がいると、歩行者集団の…

 「歩きスマホ」の人がいると、歩行者集団の動きは妨げられ速度が低下する。人を笑わせ、考えさせるユニークな研究をたたえる「イグ・ノーベル賞」に京都工芸繊維大助教らの研究チームが選ばれた▼学生27人の2グループがすれ違い、片方では3人がスマホを操作。本人だけでなく周りの人も衝突を避けようと急に向きを変えるなどして、全体の歩みが詰まってしまうことを実証した。街中の混雑で経験した人は少なくないはず▼普段は「あうんの呼吸」でスムーズに事が進むが、立ち止まって考えたり、別の集団に歩調を合わせたりする人が多く先が見えない。自民党総裁選の告示を控えた各派閥が「歩きスマホ」で滞った集団にどこか似ている▼結束する派閥はほんの一部。多くは支持方針がまとまらない。「勝ち馬」の見極めは難しく、同じ派閥でも支持が複数候補に分かれかねない。かつては派閥領袖(りょうしゅう)の合従連衡で勝敗が決した例も。衆院選を目前にした「選挙の顔」選びでは、もはや締め付けが通用しないらしい▼現時点で名乗りを上げたのは3人。どなたかへの配慮だろうか、森友学園問題を巡る財務省の決裁文書改ざんに関する再調査にいずれも消極的だ。ここはぜひ「歩きスマホ」理論で立ち止まり、かき回してほしかったのだが。(2021・9・14)

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