(67)月光のまぶしき部屋に帰りきし/名取 里美(1961年~)
「帰りきし」とは「帰ってきた」という意味です。日中の仕事や用事を終えると、あたりは真っ暗。部屋の中は出た時のままで、朝に開け放したカーテンから月の明るい光が差し込んでいます。見慣れた自分の部屋ですが…
関連リンク
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- ・(65)をかしいから笑ふよ風の歩兵達/鈴木 六林男(1919~2004年)
- ・(64)彗星にふるさとのあり芋の露/大河原 真青(1950年~)
- ・(63)天の川わたるお多福豆一列/加藤 楸邨(1905~1993年)
- ・(62)一生の手紙の嵩(かさ)や秋つばめ/田中 裕明(1959~2004年)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。