「需要減の想定、当然」 ガス民営化で東北電社員の仙台市議が批判

仙台市ガス局=仙台市宮城野区

 仙台市のガス事業民営化で、市が唯一応募した東北電力など4社グループの提案を退け、再び白紙に戻したことを巡り、22日の市議会9月定例会一般質問で、東北電社員の議員が事業環境に対する市の認識を痛烈に批判する場面があった。

 質問したのは加藤健一氏(市民フォーラム仙台)。事業譲渡後の5年間で約2万件の需要家が減少すると見込んだ提案に関し、市が「ガス事業の永続的発展」と整合しないと判断したことをやり玉に挙げた。

 加藤氏はガス事業を民営化後に需要家数、業務用販売量が大きく減った大津市の例を紹介。「民営化すればエネルギー市場の競争環境は進展する。一定の需要減を想定するのは当たり前で、保守的な事業計画の立案は当然」と強調した。

 不整合と判断した根拠も疑問視した。「市はガス需要の見通しを公表していない。何の物差しもなく、不整合とはどういうことか」と批判。「(事業継承の)リスク評価に関し、事業者と見立てが全く違う」と指摘した。

 これに対し、郡和子市長は「市人口はしばらくは増加傾向にある。それが民営化した途端、需要家が大きく減る予測は大変残念。メジャー(物差し)は何かとの指摘だが、市ガス事業のトレンドを考えれば納得がいかない」と反論した。

 加藤氏は、4社グループが提案した市民サービスの向上策を市が「民営化のメリットを十分打ち出せたとまでは言えない」と低く評価したことも問題視した。

 マレーシアからの割高な液化天然ガス(LNG)輸入を当面、引き継ぐ必要があることに触れ「燃料を高く買って料金を安くしろとは、あまりに身勝手な注文ではないか」と非難した。

 郡市長は「暮らしの利便性とか、料金がこれくらい安くなるとか、いろいろな取り組みが明確に示されることが望ましい。その点が残念だった」と説明した。

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