政府は新型コロナウイルスワクチンの3回目接種を年内に医療従事者から始める方針だ。2回目の完了後8カ月を目安に順次実施するという。
ワクチンの効果を確実に行き渡らせる狙いから、先行する諸外国に追従する動きだが、利点の陰に横たわる課題を見過ごしてはならない。
国内で2回接種を完了した人は9月中旬に人口の半数を超え、月末には60%を突破する見込みだ。1回目の接種率は65%を上回り、世界で最も早く昨年12月に接種を始めた米国に追い付いた。
接種率が上昇したとはいえ、年代別では大きな開きがある。宮城県内では1回目の接種率(8月末時点)は、60代以上が9割に近い一方、15~19歳と20~24歳はともに3割にも満たない。
感染割合は接種率と関係している。8月の新規感染者数を人口比でみると、15~19歳0・50%、20~24歳0・69%、60代以上0・05%で、若者の感染割合は10倍程度高い。追加接種に先走るより着実な接種完了が先決ではないか。
政府は希望者全員の2回接種を11月に完了させたい考えだが、接種対象になっていない12歳未満にも感染が広がっており、未就学児を含め、子どもの接種に関する考え方を早急に示すべきだ。
体質や疾患のために副反応を警戒し、ワクチンを打ちたくても打てない人をどう救済するかも課題だ。一部のワクチンでは接種後、ごくまれに血栓ができる事例が海外で報告され、脳梗塞を患った人などは接種を敬遠している。
コロナ前の日常を取り戻すため不可欠だとして、接種の重要性が強調されるが、1回の接種すらままならない人が大勢いる。
社会経済活動に参加するため、未接種の人はPCR検査費用を自己負担している。検査費用はワクチン接種と同様に公費で賄い、「ワクチン格差」を解消すべきだ。
接種は国際的な課題でもある。途上国には接種を満足に受けられない医療従事者も多い。途上国にワクチンを普及させる国際的な枠組み「COVAX(コバックス)」が十分に機能していない。
供給の不均衡により途上国で流行が長引けば、新たな変異株が出現する可能性は高まる。先進国や富裕国が3回接種してもパンデミック(世界的流行)は収束しない。
世界保健機関(WHO)はワクチン格差の是正を目指し、各国に年内の追加接種の実施見合わせを求めた。米食品医薬品局(FDA)も高齢者と重症化リスクの高い人には推奨する一方、若い世代は副反応を評価するデータが不十分だとして、否定的な見解を示すなど接種の是非を巡り意見が分かれている。
有効性や副反応に関し、判断材料がそろっているとは言えず、議論が尽くされていない。導入ありきの見切り発車は避けなければならない。
宮城の高校情報満載!英語リスニング問題はこちらから
見て、聞いて、キャンパスの雰囲気を感じよう!
大学9校のオープンキャンパス情報や先輩学生の声。仙台圏での生活情報も満載!
東北の未来に向けて、みんなで手を取り合い、様々な活動に取り組んでいます。
SDGsマインドの向上をはかるための「みやぎSDGsアンバサダー」育成プログラム活動を紹介中!
2022年度企画10月スタート!詳しくはWEBサイトへ
東北6県7新聞社が東北全体の活性化を目指し明るい未来の創造を目指します
みやぎの職場を元気に健康に!健サポフレンズも新規会員募集中
特選不動産情報(毎週金曜日更新)
仙台「四方よし」企業大賞
2022あしたのみどりキャンペーン
Job探:仙台・宮城の求人情報
みやぎのいいものご案内!47CLUB
宮城の赤ちゃんへ贈ります「すくすくばこ」好評受け付け中!
LINEスタンプ「かほピョンとなかまたち」
宮城県からのお知らせ
みやぎ復興情報ポータルサイト
杜の囲碁サロン
位置情報連動型スマホ広告サービス LocAD+(ロカドプラス)
Copyright © KAHOKU SHIMPO PUBLISHING CO.