デスク日誌(9/26):秋 風

 戻りガツオで地酒を一杯、とのんきなことを考えていたら政局である。この季節は油断がならない。

 思えば東京に勤務した2006年から4年間、毎年秋に首相が代わった。小泉純一郎氏から安倍晋三氏、福田康夫氏、麻生太郎氏に。最後の年は政権まで代わって鳩山由紀夫氏に。まるで回転ずしだった。

 今また、秋風とともに舞台が回る。湯沢市の農家出身のたたき上げ、2世議員らとは覚悟が違う-。菅義偉首相へのそんな勝手な期待は急速にしぼんだ。

 コロナ下で誰がやっても難しいかじ取りだった。とはいえ国民に向き合う姿勢、理解を得る努力がどう見ても足りなかった。

 「田舎の人間は不器用で口下手。それでも通じ合うのは自分の言葉で飾らずに話すから。構えてちゃ何も伝わらない」。秋田県内の知人は言う。

 朴訥(ぼくとつ)で一本気な性格もいいが、官僚が作った原稿の棒読みはさすがに通らない。恐らくはやりたいことの半分もできなかった。

 自民党総裁選に目を凝らす。嫌な質問にも逃げずに答えているか、と。長期政権後はなぜか短命内閣が続く歴史があるだけに。(気仙沼総局長 成田浩二)

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