河北抄(10/2):仙台市内の映画館で先月末まで上映された…

 仙台市内の映画館で先月末まで上映された映画『モロッコ、彼女たちの朝』は、北アフリカ・モロッコのカサブランカ旧市街が舞台。女手一つで一人娘を育てながらパン屋を営むアブラの元に、未婚の妊婦サミアがやってくる。

 イスラム教社会のモロッコでは、婚外子は「罪の息子」と呼ばれるタブー。家族やコミュニティーから排除され、差別の対象となる。当初は距離を置いていたアブラはパン作りを介して心を通わせていく。下町の片隅で肩を寄せ合うように暮らす3人の姿が、フェルメールの絵画を思わせる美しい映像で描かれる。

 出産した子の扱いを巡って苦悩するサミアに、誰にも相談できずに産み、育てられずに遺棄してしまい、罪に問われる日本女性の姿が重なった。

 モロッコのジェンダーギャップ指数(2021年版)は、156カ国中144位。日本は120位。どちらも女性が生きづらい社会だ。自民党の新総裁が決まり、総選挙が間近に迫った。格差解消にどう立ち向かうのか。候補者の声に真剣に耳を傾けたい。

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