「大湯環状列石」分断する県道移設へ 航空測量で迂回ルート探る

万座環状列石(左)と野中堂環状列石の間を通る県道=鹿角市の大湯環状列石

 秋田県は本年度、世界文化遺産に登録された「北海道・北東北の縄文遺跡群」の一つ、大湯環状列石(鹿角市)を分断して通る県道の移設に向け、迂回(うかい)ルートを検討するための航空測量を実施する。国連教育科学文化機関(ユネスコ)の世界遺産委員会が登録から約6年ごとに遺跡の保存状況などを審査しており、6年以内の着工を目指す。

 大湯環状列石は、東側にある野中堂環状列石(直径約40メートル)と西側の万座環状列石(約50メートル)からなる国内最大規模のストーンサークル。県道はその間を通り、電線も張られている。

 県は2013年から遺産登録の推薦書で県道移設の方針を提示している。ユネスコの諮問機関は7月の遺産登録に際し、「不適切な構造物」の撤去を求め、鹿角市も8月30日に県道の早期移設を求める要望書を県に提出していた。

 航空測量の範囲は遺跡を中心とした約2キロ四方で、遺跡の広がりを正確に確認するのが目的。測量を基に遺跡の詳細な地形図を作製する。事業費は約2000万円。県生涯学習課は「まだ正確には分かっていない遺跡の全体像を把握してから迂回ルートを考えたい」と説明する。

 県道は市街地と大湯温泉郷を結び、市民らの生活道路にもなっている。大湯ストーンサークル館の花ノ木正彦館長は「遺跡の保全と住民の利便性の両立は難しい問題で、県と協力して慎重に進める必要がある」と話す。

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