復興相の兼務に吉野氏が抗議 岸田首相、震災への言及わずか60字

東京電力福島第1原発

 岸田文雄首相が就任後初めて臨んだ8日の所信表明演説は、東日本大震災への言及が60文字程度と菅義偉前首相の3分の1以下にとどまり、中身に乏しかった。岸田内閣を巡っては復興相の兼務問題が波紋を広げており、東北の与野党議員からは岸田氏の復興に向き合う姿勢を疑問視する声が上がった。

 岸田氏は「東日本大震災からの復興なくして日本の再生なし。この強い思いの下で被災者支援、産業なりわいの再建、福島の復興再生に全力で取り組む」と述べた。東京電力福島第1原発事故を取り巻く課題には触れなかった。

 演説は新型コロナウイルスや外交・安全保障など全6部で構成され、震災復興は第3部の「新しい資本主義の実現」の中に組み込まれた。昨年の菅氏は「震災復興と災害対策」を演説の柱の一つに据えていた。

 立憲民主党の玄葉光一郎元外相(衆院福島3区)は「一言しか触れなかった事実が復興に対する姿勢を表している。首相は東北の土地勘がなく、関心を持てないのでは」といぶかった。

 立民の安住淳国対委員長(衆院宮城5区)は「東北は忘れられた。復興相も片手間で仕事をするようだ。一日も早く政権を倒す必要がある」と力を込めた。

 自民党の吉野正芳元復興相(衆院福島5区)は「復興にはしっかり取り組むと思う」と語った上で、兼務問題については「地元の人間は『復興がおろそかになる』と懸念している」と強調。松野博一官房長官に7日、次の内閣では復興相を専任とするよう抗議したことを明らかにした。

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