<ネット選挙ゼミナール@仙台>2時間目/フェイスブック

 インターネットを使った選挙運動が今回の参院選(21日投開票)から解禁された。ホームページにツイッター、フェイスブック…。有権者はネット選挙の各ツールとどう向き合うべきか。ネット教育に力を入れる東北福祉大(仙台市)の教授らが講師となり、在仙大学生がゼミナール形式で特性や注意点などを学んだ。ツールごとに紹介する。

韓国大統領選で当選を果たし喜ぶ朴氏。選挙戦ではフェイスブックなどのツールを有効活用した=2012年12月19日

活動内容、日記風に発信

 交流サイトの「フェイスブック」に8日午後、福島県内に住むユーザーが「応援します!! みんなも見てね」と投稿した。

 コメントとともに、参院選比例代表の候補者が街頭でギターを演奏した動画を貼り付けた。程なく、4人のユーザーが「いいね!」と反応した。

 東北6選挙区の立候補者も31人中24人がフェイスブックを活用する。短文投稿サイトのツイッターと並ぶ人気のツールだ。

 ネット選挙ゼミ講師の東北福祉大教授萩野寛雄さん(43)は「選挙が始まる前から、日常の政治活動の報告に使っている政治家も増えた」と現状を説明する。

 ツイッターのような字数の制限はなく、ブログと同様に日記風に情報を発信できる。ネット選挙解禁によって公示後の選挙運動期間中も更新可能になった。

 各陣営はネット選挙の主戦場と位置付け、支持拡大のツールとして期待するが、決して思惑通りにはならない要素も抱える。

 東北大3年の大高志織さん(20)は「国政選挙に出るような人に、若者が友達申請するのは難しい」と指摘する。

 フェイスブックは実名登録が基本。「友達」になるなど主体的に求めなければ、情報は届いてこない。そんな事情もあり、大高さんは「フェイスブックからは選挙が見えてこない」と言う。

 お隣の韓国では、昨年末の大統領選で勝利した朴槿恵氏もフェイスブックを選挙運動に活用した。ネット選挙は10年ほど前から力を発揮しており、投票所に行って自分の顔をスマートフォン(多機能携帯電話)のカメラで「自撮り」し、ツイッターに書き込む若者が増えている。

 片やネット選挙元年の日本。ネット選挙との距離感は陣営側と有権者側でだいぶ異なる。萩野さんは「情報発信が政治の側からの一方通行に終わる懸念もある」と語る。

 もともとフェイスブックは友人知人のつながりや輪をネットで広げようと設計された。東北大大学院修士1年の遠藤柊子さん(22)はツールの特性を「個人的なコミュニティー空間」と評する。

 そこに政治や選挙をどうなじませるか。「選挙を戦う人たちの手腕が問われているのでは」。2時間目の締めくくりに遠藤さんが問題提起した。

[フェイスブック]米国で2004年に誕生した世界最大の会員制交流サイト(SNS)。日本語版は08年に開設された。ブログ、ホームページ、コミュニケーションツールなど多機能な使い方ができる。ツイッターなど他のSNSとの親和性も高い。

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