<NPOの杜>正しい理解 浸透目指す/日本てんかん協会宮城県支部

日本てんかん協会宮城県支部が定期的に開催している講演会=2019年1月、仙台市内
講演会とともに開かれた交流会。悩みが打ち明けられる(画像の一部を加工しています)

 10月は「てんかんを正しく理解する月間(てんかん月間)」。公益社団法人日本てんかん協会は、てんかんへの社会的な理解促進に取り組み、全47都道府県に支部を置いて患者の交流活動や相談対応、啓発活動を展開しています。当事者や家族のサポートを30年以上続けている宮城県支部代表の松崎幸司さん(72)と、事務局長の萩原せつ子さん(71)は「てんかんはいつ、誰にでも起こる可能性がある」と話します。

 「てんかん」と聞くと、手足ががくがく震えるけいれんを起こしたり、突然転倒したりする症状だと答える人が多いでしょう。実はてんかん発作の多くはけいれん以外のもので、一点を見詰めぼんやりしたり、声を掛けても反応がなかったり、手足が一瞬びくっとしたりなど、いろいろな症状があります。

 子どもだけでなく、大人も当事者になり得ます。遺伝性ではなく、何がきっかけで引き起こされるのか、原因がはっきり分かっていない場合が多いそうです。

 てんかん患者を取り巻く環境は、制度面で変化がありました。障害者の権利を擁護するため、資格を取る際に欠格条項のほとんどが廃止され、運転免許も一律禁止ではなく発作の状況によっては取得できるようになりました。

 しかし実際には「まだ根強い偏見があり、正しい理解が進んでいない」(萩原さん)現状があります。アルバイトから正社員に登用されたのに、病名を告知すると、てんかんを理由に解雇を告げられた人もいるといいます。また薬でコントロールできているといった詳しい話を聞いてくれず、てんかん患者と伝えた瞬間、差別的な扱いを受けることもあります。

 適切な治療を受ければ、多くの人が発作の無い生活を送ることができるのですが、こうした偏見や差別を受け「てんかんであることを隠したほうがよかった」と思ってしまう人も多いそうです。萩原さんは「隠せばベストな治療が受けられないこともある。だからこそ、正しい理解が進んでほしい」と切望します。

 松崎さんは「息子がてんかんと知ったとき、協会に関わるようになって情報を得られた。てんかんと向き合ってきた先輩の声を聞くことも大切」と呼び掛けます。団体は電話による相談に応じています。独りで悩まず相談してみてはいかがでしょうか。
(認定NPO法人杜の伝言板ゆるる 丹野伶菜)

 公益社団法人日本てんかん協会宮城県支部の連絡先は022(247)0356。

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