米価下落、支援か補償か争点に 衆院選公示

第一声に拍手や歓声を送る支持者=19日午前9時45分ごろ、酒田市

 衆院選が公示された19日、東北の小選挙区の各候補者は新型コロナウイルス対策などをテーマに論戦を繰り広げた。発生から10年を経ても東日本大震災と東京電力福島第1原発事故の被災地は苦難が続き、各地の農家は深刻な米価下落にも直面する。政策維持か、転換か。対抗心をあらわにした与野党の舌戦が初日から熱を帯びた。

 新型コロナの流行に伴う外食需要低迷で米価が大きく下落し、東北では農業問題が争点に急浮上した。

 自民は過剰在庫の長期保管や、収入減対策として無利子融資などを実施する方針。福島4区の自民前議員は「強く要請をして15万トンを長期保管の『特別枠』に設定できた。下落を少しでも防ぐため全力で働く」と声高に訴えた。山形1区の自民前議員は都内で取材に応じ、「子ども食堂や外食産業などへの販売支援を通じ、米価下落を防いで農家や農村が安定する社会をつくる」と力を込めた。

 米価の落ち込みは農家の経営基盤を揺るがし、生産意欲を奪う。大仙市で第一声を上げた秋田3区の自民前議員は「農業を目指す人、今頑張っている皆さんが続けていこうと思ってもらえる施策を練り上げていかなければならない」と訴えた。

 対する立民は公約に政府備蓄米の枠の拡大や、生産コストと販売価格の差額を支援する「戸別所得補償制度」の復活を盛り込んだ。

 福島1区の立民前議員は「戸別所得補償制度をもう一度構築するべきだ。国は米価下落をコロナ禍で消費が減ったからだと簡単な説明をするが、とんでもない話。これまでの農業政策が失敗したからだ」と強く批判。岩手3区の立民前議員も「米価暴落は自民党が農村を軽視してきた結果だ」と声をそろえる。

 秋田3区の共産党新人は農業政策の先行きに不安を訴え、「自民は農業人口減少や後継者不足に歯止めがかからない現状を放置している。コメ輸入をやめ、余剰米の買い上げや所得補償をするべきだ」と指摘した。

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