(108)このところだけ日の差して冬の蝶/柳家 小三治(1939~2021年)
立冬にフライングして冬の句を。何にでも陰・陽があるというが、「冬の蝶(ちょう)」はどちらかというと陰気な季語に分類されるようだ。もう元気もなくなってきた蝶が、ひっそりと休んでいる。それをぽっかりとあ…
関連リンク
- ・(107)渡り鳥見えますとメニュー渡さるる/今井 聖(1950年~)
- ・(106)爛々と虎の眼に降る落葉/富澤 赤黄男(1902~1962年)
- ・(105)利酒に瞳大きくなりにけり/大木 雪香(1973年~)
- ・(104)榠樝(かりん)と座す少し傾(かし)ぐは相似たる/加藤 楸邨(1905~1993年)
- ・(103)蝗来て小さき影生む義民の碑/阿部 菁女(1939年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。