(105)利酒に瞳大きくなりにけり/大木 雪香(1973年~)
利き酒というのは品質鑑定が目的だから酔っちゃいかんというので、ちょいと口に含んでぺっと吐き出す、というのが本当だと思うが、それにしてはぷーんと鼻をくすぐる酒の香りに目の色が変わっているようだ。全身を…
関連リンク
- ・(104)榠樝(かりん)と座す少し傾(かし)ぐは相似たる/加藤 楸邨(1905~1993年)
- ・(103)蝗来て小さき影生む義民の碑/阿部 菁女(1939年~)
- ・(102)草山のすつかり刈られ秋の風/大須賀 乙字(1881~1920年)
- ・(101)金鱗をこぼさぬ鯉の水の秋/上田 五千石(1933~1997年)
- ・(100)軍艦とおでんとにある喫水線/坪内 稔典(1944年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。