(109)稲刈が終り大きな闇となる/伊藤 政美(1961年~)

 それまで黄金の波をたたえていた田んぼは収穫の時期を迎え、ある日を境にぽっかりとした暗がりになります。残るのは、まだ湿り気を帯びる黒い地面と、乾燥させられる稲の束だけです。天日干しの方法は地方によってさまざまで、私の地元では「ほんにょ」で稲を干しますが、昨今はコンバインによって刈り取りと乾燥が一度に行われることも多いでしょう。一面に細かな稲わらが散るため、天日干しの場合よりも少し、闇が薄くなる気もします。句集『四郷村抄』より。(及川真梨子)

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。


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