河北抄(11/4):お寺の大広間に太鼓と三味線の軽快な出ばや…

 お寺の大広間に太鼓と三味線の軽快な出ばやしが響き渡る。「おやっ、このメロディー、聞き覚えが…」。八木山ベニーランドの懐かしいCMソングだった。

 先週末、仙台市若林区の林香院で開かれた落語勉強会。高座に上がったのは細面の若手ホープ、仙台市出身の春風亭与(よ)いちさん(23)だ。『明烏(あけがらす)』など3席で満場の客をどっと沸かせた。

 落語の長い歴史で、与いちさんは記念すべき仙台初の落語家という。今春、前座から二ツ目に昇進。落語家の登場曲と言える出ばやしに「仙台なら、これだっちゃ」と、くだんの選曲となった。

 小さい頃から父に連れられて落語会へ。中学生時代、図書館にある落語のCDを片っ端から聴き、「落語家になる」と家族に宣言。向山高校を卒業し、憧れの春風亭一之輔さんに弟子入りした。

 東京から出向く勉強会は月1回程度。「東北の笑いのシンボルになりたい」と夢を抱く。芸に一生をささげ、円熟する姿も思い描く。長い道のりは踏み出したばかり。「一歩一歩です」。ベニーランドの観覧車のようにゆっくりと進む。

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