(112)こなごなの落葉われともわれらとも/津高 里永子(1956年~)

 森の中のふかふかの落ち葉、石畳の上に舞う落ち葉。欠けのないものも、踏まれてぱりぱりと割れるものもありますが、この句では粉々に崩れてしまいました。作者はその葉が自分のようにも思うし、さらに、自分たちのようにも思う、とうたっています。心が折れそうになる体験や大きな喪失感は誰のもとにも訪れますが、「われら」と書くことで、共有される悲しみが表現されています。その切なさもいつか心の滋養となるのでしょうか。句集『地球の日』より。
(及川真梨子)

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秀句の泉

 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。


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