<手腕点検>川崎町・小山修作町長 実力主義で職員登用 「突進型」には変化も

 東日本大震災から10年がたった今年、地方自治の現場は新型コロナウイルス感染症との闘いに引き続き追われた。少子高齢化や人口減少、地域経済の疲弊も深刻化。難局のかじ取りを担う宮城県の市町村長は地域の負託に応えているか。住民や関係者の声を交えて検証する。 

道の駅整備検討委員と川崎町内の候補地を視察する小山町長(左)=9月28日

 高齢者対象の新型コロナウイルスワクチンの2回目集団接種が完了してから2日後の6月30日。早期に懸案を終わらせ、つかの間の達成感に浸っていた小山修作町長(64)は冷や水を浴びせられた。

 町発注工事に関する資材設計単価表の情報を提供したなどとして、受託収賄容疑で建設水道課の男性参事(49)が逮捕された。小山町長は、翌7月1日の記者会見で町民に謝罪した。

 関係者によると、参事は建設土木部門に長年携わり、今年4月の人事で建設水道課長昇格も検討されていたという。小山町長は「仕事ぶりは高く評価していたが、管理監督面で甘かった」と反省を口にする。

 町議2期を経て現在3期目。民間出身ということもあり、役場文化の年功序列ではなく、実力主義を重んじる。2018年4月には、廃校舎の利活用を進めた当時44歳の男性職員を課長に登用。50代半ばの課長昇格が一般的な中、異例の抜てきだった。

 周囲から「役場の秩序を乱す」と反対の声もあったが、「(役場の秩序は)町民に関係ない」と意に介さなかった。自身の性格を「突進型」と分析するように、一度決断したら後退は望まない。

 町議会9月会議で職員の贈収賄事件を追及した佐藤新一郎町議(74)は「自身の決断を大事にするのは分かるが、最終的にワンマンにつながる恐れがある」と懸念を示す。

 最近は変化したとの声も聞かれる。小山町長と町議当選同期で、よく相談し合う仲の真壁範幸議長(71)は「突っ走る性格はあるものの、『職員は財産』と言い、きちんと意見を聞いて政策を立案している。柔軟な対応も持ち合わせ始めた」とみる。

 その一例が、2年前の町長選で目玉公約に掲げた「道の駅整備」の対応。昨年3月に構想案をまとめ、優先候補地を定めたが、今年6月の検討委員会で突如、構想見直しを示唆した。

 関係者によると、小山町長は「コロナ下で状況も変わり、道の駅が本当に必要か考えたい」と周囲と相談しているという。関係者は「計画の白紙撤回もあり得る」と予測する。

 ハード事業を抑制する一方、隣接する山形県からの交流人口拡大を検討し始めた。川崎町は仙台・山形間の中間地点。両地域で拡大する交流の結節点として、人口減少地域からの生き残りを模索する。
(大河原支局・山口達也)

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