消えゆく母校、校歌よ永遠に 宮城出身の音楽家がデジタル化支援

かの香織さん

 宮城県栗原市出身の音楽家かの香織さんらが、東日本大震災で被災し統廃合された小中学校や高校の校歌を高品質のデジタル音源に保存するプロジェクトを進めている。これまで県内6小学校の校歌をデジタル化し、7校目を募集中。かのさんは「校歌は世代を超え地域の誰もが知っている大事な歌。学びやがなくなってもデジタル技術で保存し50年先、100年先に残す手伝いをしたい」と話す。

 かのさんは2006年から音楽を通じた災害被災地域支援活動をしており、東日本大震災後は歌手さとう宗幸さんらと共に一般社団法人「みやぎびっきの会」にも参加。16年3月には故郷の栗原市に非営利の一般財団法人「オーバー・ザ・レインボウ基金」を設立し、被災し統廃合対象となった小中高の校歌保存プロジェクトを本格化させた。

 プロジェクトは「県文化芸術の力による心の復興支援助成金事業」の対象事業として、19年1月に東松島市の旧野蒜小、旧宮戸小の校歌保存からスタート。学区住民・PTA、旧学校職員、ボランティアの協力を得ながら、元児童や地域住民らの歌声によって校歌を記録。地元の映像と合わせて東京のスタジオで編集し、デジタル音源として保存、公開した。

 同年12月には山元町の旧中浜小、20年2月に東松島市の旧小野小、旧浜市小でも実施。同12月には新型コロナウイルスに配慮した上で気仙沼市の旧南気仙沼小でも校歌をデジタル化した。

 かのさんは「主役はあくまで地元の元児童や住民。単に校歌を歌ってもらって録音するだけでなくデジタル音源完成までのプロセスを大切にしたい」と強調。基金は本年度も、7校目となる校歌保存対象を「県NPO等による心の復興支援事業」助成で募集している。事務局の笹田啓美さんは「被災による統廃合といってもさまざまな事情があると思う。まずは声を掛けてほしい」と話す。

 申し込み締め切りは11月末。連絡先は笹田さん070(4208)2495。

旧野蒜小、旧宮戸小の校歌復刻保存会で、かのさん(右端)と話し合う学生・保護者代表ら=2019年1月、東松島市の野蒜市民センター(オーバー・ザ・レインボウ基金提供)
オーバー・ザ・レインボウ基金の公式サイト
校歌プロジェクトの紹介ページ
南気仙沼小の校歌

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