仙台空港の上期純損失6・7億円 赤字幅は縮小、なお苦戦

仙台空港の滑走路

 仙台空港を運営する仙台国際空港(宮城県名取市)がまとめた2021年度中間決算によると、上期(4~9月)の営業収益は前年同期比15・0%増の9億5700万円だった。純損失は前年同期の8億4800万円から6億7200万円に赤字幅が縮小したが、計画の6億2100万円を上回った。

 旅客数は63万4624人と前年同期比34・2%増。ただ新型コロナウイルス感染拡大前の19年同期(198万5000人)と比べると32・0%の水準にとどまった。計画では19年同期の50%程度まで回復すると見込んだが、感染拡大と緊急事態宣言に伴う移動自粛などで伸び悩んだ。

 通期の計画では年間旅客数を231万人と見込むが、下期(10月~22年3月)での挽回は難しい状況だ。通期純損益も計画(9億100万円の赤字)から下振れする見通し。

 9月末で全国の緊急事態宣言が解除され、旅客数は持ち直しつつある。10月の旅客数は16万4984人と前年同月比4・3%増。11月2週目は4万5379人(前年同期比13・5%増)、3週目は5万389人(21・3%増)と2桁の伸び率が続き、コロナ下での週当たりの旅客数の最高を更新した。ただ、新しい変異株「オミクロン株」の影響も予想され、下期も厳しい状況が続きそうだ。

「下期も予断を許さない。緩まずしっかり事業運営していく」と話す鳥羽社長

鳥羽社長「下期見通し予断許さず」

 コロナ禍に伴う人の移動の抑制は2021年度上期も続き、仙台空港の旅客数は伸び悩んだ。運営する仙台国際空港の鳥羽明門社長に今後の見通しなどを聞いた。

 -上期の決算は計画より厳しい結果になった。

 「上期の旅客数は計画(91万6000人)の7割ほど。感染の第4波、第5波に伴う緊急事態宣言の発令などでビジネス、観光とも需要が抑え込まれた。ここまで大きな感染の波は想定していなかった。計画当時はワクチン接種が始まり、19年度の5割ほどに旅客が戻ると見込んでいた」

 「収益は主に着陸料と旅客数に応じた旅客サービス施設使用料で、減便と旅客数の減少がダブルで響いた。収益減が利益減に直結し厳しい半年だった。費用削減に精いっぱい努め赤字幅は小幅にとどめた」

 -9月末で全国各地の緊急事態宣言が解除された。

 「旅客の動きが目に見えて出てきた。帰省、観光の利用は回復を強く感じるが、火~木曜の動きは弱く、ビジネス客の戻りは強さがない。ウェブ会議などビジネススタイルの変化もあり、一定程度の減少は見込む必要があるだろう」

 「国際線は年内の運航再開は難しい。検疫体制などの整備も条件になる。ただ、海外の航空会社から年明け以降のチャーター便の打診があるなど、昨年と異なり運航再開の意欲を感じるようになってきた」

 -下期の見通しは。

 「予断を許さない。通期の営業収益、純利益も計画より下振れる見通しだ。21年度で最も重視しているのは営業キャッシュフローを均衡させること。資金面で収支均衡に何とか持っていき、運転資金を借り入れないという目標を維持する。オミクロン株は新しいネガティブな要因ではあるが、国際線は運休中で、直接的かつ大きな減収要因にはならないのではないか」

 「上期は空港内で積極的に新しい催事の開催に挑戦した。地域住民に定期的に足を運んでもらうような働き掛けを続け、いずれ旅行需要につながることを期待している」

河北新報のメルマガ登録はこちら
新型コロナ関連
先頭に戻る