秋田産ラズベリー出荷、首都圏に照準 生食用、色も香りも抜群

秋田県立大の研究センターにあるハウスに設置されたセンサー=大潟村

ICT活用し収穫時期調整へ

 国内有数の生産量を誇る秋田県産ラズベリーの市場拡大に向け、秋田県立大(秋田市)とNTT東日本秋田支店が情報通信技術(ICT)を活用した共同研究を進めている。データを収集・分析してクリスマスなど需要期に合わせて収穫時期を調整する方法や、首都圏への出荷を可能にする保存技術の開発を目指す。

 国内で出回るラズベリーは安価な輸入品が大半で冷凍品か乾燥加工された物がほとんど。県産ラズベリーは五城目町や大館市で生産されており、収穫量は年間2トン超。生食用に出荷するため色や香りが良く、洋菓子業界からの引き合いが強い。

 一方、雪国のため収穫時期は11月が限度で、需要が高まる12月に出荷できない弱点がある。日持ちしないことから最大の市場である首都圏への出荷が難しい点も課題だ。

「高品質で安定したラズベリー提供」

 共同研究では県立大が今年4月に大潟村に設けた「アグリイノベーション教育研究センター」と、五城目町のラズベリー農家のハウスに温度計や太陽光を測定するセンサーをそれぞれ設置。気温や日照時間などのデータを基に収穫時期を遅らせる栽培方法を探る。

 NTTの協力企業と連携し、食品の水分に電気の刺激を加え冷蔵保存する「電圧冷蔵技術」を活用。冷凍せずにラズベリーの品質を保ったまま長期保存が可能かどうかを検証する。

 通常の高温乾燥や凍結乾燥より色や香りが損なわれないとされる「常温乾燥」も試し、加工用途の拡大も目指す。

 県立大と秋田支店は11月29日、共同研究に関する連携協定を締結した。小林淳一理事長は「需要のピークに出荷できれば高値の販売が可能で、農家の所得向上にもつながる」と期待。松浦寛支店長は「ICTを活用し高品質で安定したラズベリーの提供につなげたい」と話した。

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