「魔境」J2、戦力整備の費用上昇<ベガルタJ1復帰への課題>

 仙台は来季、J1昇格を目指す戦いに臨む。J2の舞台に足を踏み入れるのは2009年以来、13季ぶりとなる。戦力や資金力があっても勝ち抜くことが難しいことから、「魔境」とも「沼」とも呼ばれるJ2。その現状を確認してみた。

 今季のJ2は混戦ぶりが顕著に表れた。象徴的だったのは、19年にともにJ1から降格してきた磐田と松本の明暗。磐田は6月中旬に昇格圏内へ浮上し、そのままの勢いで優勝した。一方、松本は開幕から低空飛行が続き、11月末にまさかのJ3降格が決まった。

 J1での実績があるからといって、すぐに勝ち抜けるような舞台ではない。10~19年の10年間でJ2に降格した延べ28クラブのうち、翌年に再昇格を果たしたのはG大阪や名古屋など10クラブ。一方で、Jリーグに発足当初から参加した東京Vは09年、千葉はその翌年から10年以上にわたり、J2でもがき続けている。

 各クラブの資金力は以前よりも上がっている。Jリーグが公開した決算一覧によると、J2を制した09年度の仙台のチーム人件費は7億1100万円。当時のJ2平均は4億2500万円で、仙台を上回るクラブは東京VとC大阪しかなかった。

 20年度のJ2平均は7億2800万円と、09年度の約1・7倍に増加した。最も高いのは千葉の14億4400万円。磐田、長崎、大宮も13億円を超え、計4クラブがJ1で戦った仙台の12億4600万円を上回っている。

 J1でのシーズンと違い、来季は再昇格につながる上位進出こそが最大の使命となる。16~20年にJ1昇格を果たした12クラブのチーム人件費の平均は11億7900万円で、中央値が9億4200万円。最高額は19年の柏の29億4000万円で、最低額は18年の大分の4億8200万円だった。

 戦力を整えるためには、財政再建が最優先の仙台にとっても、10億円前後のチーム人件費が必要になりそうだ。

河北新報のメルマガ登録はこちら

企画特集

先頭に戻る